警察の記録によると、バレンティン容疑者は、1月12日(日本時間13日)に米フロリダ州マイアミ近郊に住む妻カーラさんの家を訪問したが、妻が入室を拒否。そのため、バレンティン容疑者は窓から侵入し、逃げる妻の腕をつかむなどの暴力をふるって、2階の寝室に押し込んで鍵をかけて監禁した。目撃者が警察に通報し、逮捕につながった。カーラさんの弁護士によると、バレンティン容疑者とカーラさんは、結婚して約6年で離婚を協議中。2人には1歳になる一人娘がいる。
14日、報道陣に対応したヤクルト・衣笠剛球団社長は「私どもの知り得ているのは、すでにマスコミ各社で流されている情報がすべてです。代理人の顧問弁護士もバレンティン選手と会えていないので、私どもも情報を知り得ておりません。この後、遅くなっても、接見すべく顧問弁護士が地元で段取りを整えております。きっちりした情報を知り得てから、改めて皆さまにご報告させていただきたいと思います」と説明した。
類似した事件としては、12年末、楽天への入団が決まったアンドリュー・ジョーンズ外野手が、来日前に夫人への暴行容疑で逮捕され、保釈金を支払って釈放された例がある。
ジョーンズの際には、おとがめはなかったが、今後の米当局の捜査の進展次第では、球団やリーグから、なんらかの処分が下される可能性もある。最悪、出場停止処分となった場合、ヤクルトは4番打者不在で開幕を迎えなければならない。
バレンティンはオランダ領キュラソー島出身で、07年にマリナーズでメジャーデビュー。08年には自己最多の71試合に出場。09年途中にレッズに移籍したが、10年は1年間マイナー暮らしだった。メジャー実働3年間で、170試合に出場し、15本塁打を放っている。
11年にヤクルトに入団し、昨季まで3年連続で本塁打王を獲得。昨季は60本塁打で日本記録を更新した他、131打点、打率.330と大活躍し、チームは最下位ながら、セ・リーグMVPを受賞した。
ヤクルトとは14年から16年まで、3年総額750万ドル(約7億7400万円=金額は推定)プラス出来高で契約を結んでいる。
(落合一郎)