セ・リーグの本塁打王争いは、トップのウラディミール・バレンティン外野手(ヤクルト=28)が26本で独走中。そのバレンティンは2日に、右臀部の肉離れで出場選手登録を抹消され、復帰時期のメドは立っていない。
バレンティン不在の隙に、後続の選手は差を詰めておきたいところだが、それがいないのである。16本で2位のトニ・ブランコ内野手(中日=31)は7月8日に、DeNA・山口俊投手(25)から死球を受けて左手甲を骨折し、長期戦線離脱中。復帰時期は今月下旬から9月上旬とみられ、残り1カ月でバレンティンを逆転するのは至難のワザ。
3位には同僚のラスティングス・ミレッジ外野手(ヤクルト=27)が15本で付けているが、ホームランバッターではないミレッジがバレンティンを抜き去るのは、かなりむずかしいだろう。
4位に付けているのは14本のアレックス・ラミレス外野手(DeNA=37)。03、10年のセ・リーグ本塁打王のラミレスだが、年齢的な衰えから全盛期の量産ぶりは発揮できなくなっており、バレンティンに追い付くのは厳しい状況。
そうなると、バレンティンが今季復帰できなかったとしても、本塁打王はすでに当確ランプが点灯したといえる。統一球となった昨季、両リーグで本塁打数が激減するなかで、1年目のバレンティンは31本で同タイトルを獲得した。今季も本塁打王を獲れば、2年連続となる。
ただ、20本台の本塁打王となると、あまりにも低レベルで格好が悪い。20本台の本塁打王は95年(パ・リーグ)の小久保裕紀内野手(ダイエー=28本)以来、17年ぶりとなるが、セ・リーグに限ると61年の長嶋茂雄(巨人=28本)以来、実に51年ぶりとなる。タイトルは決まったようなものだが、バレンティンにはシーズン中に復帰して、せめて30本台にはのせてほしいものだ。
(落合一郎)