「大谷翔平の活躍で、『日本の野球』のレベルの高さ、選手育成のことなどが再評価されています。米球宴に選ばれた大谷、菊池雄星、ダルビッシュ有(欠場)は、みんな個性が違います。共通して言えるのは守備力が高く、走攻守の基礎がしっかりしているということ」(米国人ライター)
日本で学びたいと思う若手や、マイナーリーグの選手も増えているそうだ。
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そのアジア球団と契約した天才選手とは、ピッツバーグ・パイレーツのウィル・クレイグ内野手。2016年ドラフト会議で1位指名され、昨年、メジャーデビューを果たしたばかりの右のスラッガーだ。
なぜ、「傷心」と称されるかというと、今年5月27日のカブス戦で“歴史的な珍プレー”をやらかしてしまったのだ。
クレイグが一塁守備に就いていた。バッターは三塁ゴロを放ち、三塁手が一塁に送球。送球が本塁側にやや逸れて、クレイグはベースを離れて捕球した。打者走者にそのままタッチしようとした。打者走者は本塁方向に2、3歩下がって、それを避ける。
「クレイグが一塁ベースを踏めば、その時点でスリーアウト・チェンジなのに?」
ところが、である。クレイグは何をどう勘違いしたのか、打者走者を追いかけ出したのだ。打者走者はビックリして本塁方向に逃げる。最後はクレイグが味方捕手に送球。その間に二塁走者はホームインし、打者走者はガラ空きになった一塁へ。味方野手のエラーも重なって、二塁まで到達してしまった。
これには、スタンドのファンも「野球のルールを知らないのか?」と大爆笑だった。
「その後、クレイグはマイナー落ちとなりましたが、怪我ではありません。行く先々で珍プレーのことを言われ…」(現地関係者)
移籍は、環境を変えるためでもあったようだ。
「大谷に限らず、NPBを経験したメジャーリーガーたちは、『日本は反復練習が多い。コーチは辛抱強く、細かいことまで教えてくれる』と話しています」(前出・同)
「アジアの球団」とは報じられたが、詳細はまだ明かされていない。巨人、ソフトバンク、楽天、打線低迷に苦しむ日本ハムが「再生可能」と見たのか、それとも、韓国プロ野球界か?
「大谷とダルビッシュが同じ日本ハム球団出身で、ともに背番号が『11番』だったとか、大谷と菊池が同じ高校の先輩後輩だったなど、日本球界の話が紹介されています。クレイグが日本で素質を開花させたら、日本の育成法がさらに注目されるでしょう」(前出・米国人ライター)
巨人を始めとするNPBの各球団は“即戦力”を求めている。その点ではクレイグは当てはまらないが、大谷の活躍でNPBも注目されている。今後、「日本で学びたい」と思う米球界の若手も増えていくだろう。日本球界のステータスも上がった。これも、大活躍の大谷のおかげである。(スポーツライター・飯山満)