「前日、大谷は先発投手として7イニングを投げています。指名打者制を解除する『2番・投手』で出場しており、降板後は外野守備にも就いています。かなり疲れているはず」(米国人ライター)
目下、チームはア・リーグ西部地区の最下位に沈んでいる。前日の登板では勝利に貢献できなかった。「打のキーマン」でもあり、低迷するチームに少しでも貢献したいと思ったのだろう。
しかし、試合後のジョー・マドン監督が共同会見の中で、ちょっと意味シンなコメントも発していた。
「疲れがあったのかもしれないが、それに関することを私には伝えてくれなかった」
米メディアの「大谷のスイングは明らかに鈍っていた。疲れているのになぜ起用したのか?」なる問いへの回答だ。
米中継局BSウエストが試合中に伝えたデータによれば、大谷には「ある傾向」も見られるという。指名打者制を解除して打席にも立つリアル二刀流の翌日、まだヒットを1本も打っていない。リアル二刀流はここまで3試合、翌日も指名打者として試合に出て、8打数ノーヒット(9打席)。うち三振3。米メディアは「休ませるべきでは?」と批判的な質問を浴びせたのは、そのためだ。
「リアル二刀流の翌日、大谷はメディカルチェックを受け、チームトレーナーも体調を確認しています。それらの報告を受けた後、マドン監督は大谷と直接話をして、『打者』として出場するかどうかの最終判断がされてきました」(現地関係者)
指揮官の「打ち明けてくれなかった」発言は、大谷との信頼関係ができていないことをこぼしたのではなく、彼自身がチームに貢献しようと必死になっていた様子を伝えていたのだろう。私見になるが、大谷を“強行出場”させたことまでは理解できる。しかし、前日に投手出場した選手を1番バッターで起用した点は疑問だ。
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「ここまで、大谷の先発は5試合。うち2試合は指名打者制を解除しない、投げるだけでした。その2試合の翌日の打席成績を見てみると、ホームランを2本打っています」(前出・米国人ライター)
投手起用された翌日の通算打撃成績は、15打数3安打、本塁打2。打席に立たない先発登板翌日の成績は、7打数3安打。打率4割強となる。トータルでは打率2割だが…。
先発登板しても打席に立つリアル二刀流を止めれば、翌日も高打率が望める。しかし、米国ファンもリアル二刀流に大きな関心を抱いている。マドン監督は体調面だけではなく、出場方法についても大谷と話し合う必要がありそうだ。(スポーツライター・飯山満)