「ホームランダービーに大谷が出場するということで、米国の野球ファンは例年以上に強い関心を示しています。ホームランダービーは全米が注目する人気イベントなんです」(米国人ライター)
大谷は本塁打22本でア・リーグ2位(同6月20日時点)。470フィート(約143m)の大アーチも放っており、ホームランキング争いを繰り広げるライバルたちよりも「平均飛距離が長い」とも伝えられている。
「大谷はア・リーグ指名打者部門でファン投票1位(同時点)、ホームランダービーにも選ばれて当然」(前出・同)
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ホームランダービーは、8選手によって争われる。日本のオールスターゲームでも行われているが、決定的な違いは「優勝賞金」の金額だ。ナント、100万ドル(約1億1000万円)。日本でも優勝賞金は出るが、100万円。100倍以上も違うのだ。
MLB機構が開示したメジャーリーガーの最低年俸が約57万ドル(2021年)だから、優勝者は「4分×3ラウンド」の12分間で“1年分”以上を稼ぎ出してしまうわけだ。
興味深いのは、それだけではない。米オールスターゲームは「ミッドサマー・クラシック」の愛称で呼ばれている。直訳すれば、“真夏の古典劇”。1933年、カール・ハッベル投手(ニューヨーク・ジャイアンツ/当時)とベーブ・ルース選手(ニューヨーク・ヤンキース)が対戦したらどちらが勝つのかという、普段は対戦のないナショナル・リーグとアメリカン・リーグのスター選手の対戦願望から球宴が始まった。その歴史を選手も大切にしていて、選ばれたことを誇りに思っているそうだ。
日本の球宴だが、出場の経験を持つプロ野球解説者が、こんな内幕を教えてくれた。
「各チームがリーグ指揮官を務める監督に連絡し、『ウチのピッチャーは投げさせないでくれ』『何球以内に』とお願いするんです。リーグ指揮を執る監督が各投手に登板予定を告げても、『投げるなって言われて来ました』なんて言い返したり…」
「故障」を心配する声は、米球界でも聞かれる。しかし、それは張り切りすぎるなという意味である。
普段は対戦のないナ・リーグ球団のファン、エンゼルス戦が中継されていない東海岸地区の野球ファンも二刀流の活躍は知っており、今年の球宴を楽しみにしているという。
「ホームランタービーで大谷のパートナーを務める打撃投手も決まりました。エンゼルスのブルペン捕手であるジェーソン・ブラウン氏です。大谷自らが指名したということは『勝ち』を意識しているのでしょう」(前出・米国人ライター)
“クラシック”に名を刻むのもスゴイが、100万ドルの使い道も聞いてみたいものだ。(スポーツライター・飯山満)