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2013年プロ野球キャンプレポート・東京ヤクルト編 「量よりも質! オフの補強に成功して打倒巨人の一番手に」

 選手層の厚さはそれほどでもないが、投打、打順、年齢、ポジション別の選手人数のバランス(構成)がもっとも優れたチームだと思った。
 ただ、その多少の偏りがあっても困らないのが、ピッチャーの頭数である。ドラフト1、2位の両即戦力投手が“機能”すれば、勝てる…。小川淳司監督(55)は密かに優勝への手応えを感じているのではないだろうか。

 まずは1位の石川泰椎(24=ヤマハ)だが、「ストレートも速い変化球投手」という印象を持った。社会人時代からスライダー、フォーク、カーブなど変化球の持ち球が多いことで知られていたが、「鋭角に曲がる縦の変化球」は面白いと思った。関係者に確認したところ、『縦のカーブ』だという。その曲がり具合は、昨季高卒1年目ながら先発ローテーション入りしたソフトバンクの武田翔太に近いものがある。あえて注文をつけるとすれば、踏み出す左足の膝をあまり曲げないので、投げ終わったときに臀部を突き出したふうに見えるので、少々、投球フォームはカッコ悪い。しかし、先発ローテーションに食い込んでくるだろう。
 また、独特の投球フォームが話題となったドラフト2位の小川泰弘(22=創価大)も面白い。背中を丸め、胸を蹴るまで左足を上げるスタイルから繰り出されるストレートは「重さ」を感じさせる。キャンプ中盤以降は低めに集めることを意識していたからか、ややスピードを押さえてのピッチング練習になっていたが、ストレートの『質』は間違いなく一軍レベルである。
 ただ、この小川に関しては『課題』も感じられた。ランニング系の練習でバテるのが早く、投・内連携プレーでもクイックモーションが“学生のまま”だった。独特の投球フォームのせいだとしても、クイックは遅い。普通の新人なら、二軍で勉強させるところだが、この小川のストレートを見ていると、1年目から使いたくなる。「イニングの頭から」という制限付きのリリフ起用だろうか…。

 ベテラン・館山昌平(31)だが、キャンプ序盤のブルペン投球で「10球に1度」くらいの割合で、スローボールを投げていた。「11年オフに手術した右手の血行障害を気にして」のことらしいが、このクラスの投手は自己調整にも長けている。不安材料ではないだろう。
 06年以来の復帰となった岩村明憲(33)だが、第一印象は、楽天時代と比べてかなりスマートになった。フリー打撃だけでは判断するべきではないが、スイングは鋭くなった。レフト線へも球足の速い打球が飛ぶようになり、オープン戦で結果を出せば、自信を持ってシーズンに臨めるのではないかと思った。ただ、現在のヤクルトには『二塁=田中浩康、三塁=宮本慎也』がいる。外野手で出場することも多かった主砲・畠山和洋(30)が、一塁の守備練習に加わっていた。バレンティン、ミレッジの両外国人選手もいる。岩村が順調ならば、良い意味で小川監督の悩みは尽きないだろう。

 キャンプ中盤、フリー打撃の投手として登板した久古健太郎、日高亮の両左腕が順調に仕上がっている印象を受けた。新人捕手・星野雄大もサインプレーでハツラツとした動きを見せていた。5年目の捕手・新田玄気の声がグラウンド中で響いていた。捕手陣は連日の特守が行われており、この2人の動きを見て思ったのが、「相川から中村悠平へ」という正捕手継承の規制路線も怪しくなってきたということ。今季のヤクルトは、投手、打線、そして守備力、すべてにおいてレベルアップした。故障者が出なければ、原巨人の連覇を阻止する力は十分に持っている。

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