__まずオーディションで頂点に上り詰める前はどんな生活でしたか?
歌手になりたくて実はオーディションを受けては落ちての繰り返しで、そんななか親が病気になって自分も就職をしなくてはならない状況で、実は最後の“人生の賭け”のつもりで応募したのがそのオーディションでした。歌手にはなりたかったけど普通の大学生と何も変わりませんでしたよカラオケでうまいねって言われるぐらい(笑)。
__最初に東京へ来た時はどんな感じでしたか?
やっと夢が叶い、これからデビューして、代官山とかに住んで、絵にかいたような日常を送れるもんだと思ってました。田舎者丸出しで自分にとっては最高のお洒落服が東京歩いてみるとなんだかすごく恥ずかしかったり、道のキャッチの人の話を真顔で何時間も聞いたり、危ないこともけっこうありましたよ。カフェで声をかけられた外人に連れ去られそうになったとか、今思うと良い思い出ですね(笑)。
__ちなみに芸能界で最初にショックを受けたことはなんですか?
そうですね…大人がめちゃめちゃ怖いってことですかね(笑)。毎日めっちゃめちゃ怒られるんですよ、人間“全”否定みたいなこともされるし。1日も早くアーティストとして育てなければならないという大人も大人の事情があって、挨拶の仕方、発言の語尾にいたるまでの徹底指導、インタビューの回答、ステージでの立ち振る舞い、もう何をやってもちょっとのことでもめちゃめちゃ怒られました。空き時間は説教で3日寝れないこともあったし、ちょっとのミスで大勢の大人に詰められて反省文を書かされたり。今思うと人格崩壊してからの湧き出る情熱みたいなものを濾過する作業だったのかも(笑)。
__そんな期間を経て…なんでそんなに明るいんですか(笑)。
いや今振り返ると私も何も知らない甘えが全面に出てて、それは怒られるわ…って感じの子だったと思うんですよね。昔の自分の回想は本当にイタイですよ。
__どうやって乗り越えてました?
実は、福岡時代から付き合ってた彼氏が私に合わせて東京に上京してくれてて、その存在にもかなり助けられました。大学時代にも「いつか結婚しようね」って言いあってて、家族にも紹介しあってて、優しくて強くて「ふみかの夢が叶うまでまっとるけん」って言って励ましてくれて、あー、いい彼氏だったなー(笑)。
__というと、別れたんですか?
そうなんです。デビューして暫く経ってマネージャーさんに別れなさいと言われました。でも選ぶのは自分だよ、と。
__ええっ!! 噂には聞いてましたがそういうのってアイドルぐらいかと思ってました。
私の場合、彼の存在が精神安定剤になってて、大好きで大切な人でそんな彼に「なぜ?」と聞かれるのが本当辛くて。だって自分勝手すぎるじゃないですか、こんな傷つけ方も不本意だし、っていうかそもそもいつか結婚するって思ってたし。
__選ぶのは自分って言われているから、それは選択権がご自身にあったんじゃないですか?
無言で「歌以外は全部捨てろ」っていう圧力はありましたしね(笑)。そのハードさといったらほんと野球選手やボクサーと同じかも。一個だけわかってたのが、両立っていうけど、そんな容易い気持ちで歌と向きあう事は出来なかった、特に私は。最近良くいうじゃ無いですか「仕事の恋愛の両立」って。わたしね、アレそもそも無理だと思うんですよ。
__無理…ですか?
自分自ら辛い環境に身を投げ打ってそこで必死にもがいて出た答えや歌声じゃないと人に伝わらない。特に私は天才では無いので、凡人は凡人らしく自分で切磋琢磨をするしかないと無いと。その時人から言われた「筋肉痛」の話があって。痛いのは筋肉が出来はじめているからでもっと言うとそのために自分の身体を痛めつけたから。筋肉が出来ると昨日飛べなかったハードルが少しだけ楽になったりすると。
__良い話ですが…さすがに辛かったんじゃないですか?
いや、本当あの出来事があった前後で歌声が如実に違います(笑)。ほんと歌手ってまんま精神面が恥ずかしいぐらい出ちゃうんですよね。正直、つらすぎて自分でも気づかないうちに彼の家の前まで行ってたこと何度もありましたから。そして家の電気がついていることを確認して我に返って泣きながら帰るという…私これ捕まりそうですね(笑)。
__歌詞も体験談を書かれるアーティストが多いですよね。
「Story」は結構赤裸々ですね。これがまた不思議な話があって。歌詞の言葉の内容的にはすっごく幸せなだってことを歌ってる曲なんです。だけど人によって「幸せいっぱいな曲ですね」という人と「すごく悲しい曲ですね」って言う人、ぱっきり半々に分けられるんですよ。実際に言葉は悲しいワードを並べてなんか一つもない。曲調もミドルであたたかい。なのに「悲しすぎて聞くのが辛い」って言われるなんて、自分でも驚いてます。人が音楽を通じて汲み取る能力ってすごいことなのかもって。それが最近いちばんびっくりして感動もしました。
__私も聞いたのですが、PVを観ながら聞いたので、その…。
なぜNON STYLEの井上さんが出演してるのかってことですか?(笑)
__はい(笑)。
出たいとおっしゃっていただけたので、出演してもらったのですが、素晴らしかったですよ。かっこいい完璧な演技をしてるのに、それが面白い。カメラが回ると顔つきもプロの役者に変わるんですよ、それがさらに面白い。この人やっぱすごいなって、本当尊敬しました。
__これから夢を叶える人に何かアドバイスはありますか?
臆せずたった一つの事に一心不乱になって欲しいなと思います。結果がどうであろうとそれしか人生を豊かにすることはないと思ってます。代償は大きい、だけど大事なもののためなら迷わず払うべき。それは何よりも価値のある事だと思ってます。近道なんてきっとないですから。
__3月には地元福岡の国際会議場でコンサートが予定されてるんですね。
これも私の挑戦の一つです。これを成功させるまで、私はもう払う代償が命しかなくなってきてるので(笑)。それは冗談ですが、ある意味このコンサートが終えたとたん声が出なくなったとしてもいい、そのぐらい全てをかけてます。6年前田舎者のただの甘ちゃん女子大生だった私が、どこまで高見にいけるか? そんな1日を見届けてもらいたいなって。
UR 都市機構 presents
fumika PERFECT IMPRESSION TOUR 〜THE FINAL IMPRESSION at 福岡〜
日程 : 3月29日(火曜日)
場所 : 福岡国際会議場 メインホール
開場/開演 : 18:00 / 18:30