キャプテンの筒香嘉智が、新しい人工芝の輝くハマスタに現れた。晴れわたる空の下、開幕戦に向け抱負を語った。
☆「順調に来ている」
筒香の一番の変化は、シーズンオフから取り組んでいる新フォーム。去年までのどっしりとしたフォームから、今年はゆったりとした自然体のフォームに変更した。キャンプ、オープン戦とマイナーチェンジを続け、25日の試合では猛打賞を飾り、本塁打も放った。開幕に向けて順調にステップアップしている。
筒香は「体の中の部分の意識」を重要視しているとよく口にする。言葉で伝えることは難しい、独特の感覚のようだ。フォームについては「簡単なうわべだけの変化は絶対にしない」と言い切った。手応えを感じている証拠だろう。
☆キャプテンとして
筒香は今年のチームについて問われると「みんな技術がすごく上がっている。チームに対する意識も、野球に対する意識も上がっている」と満足げ。去年自分の調子が上がらないときでも、キャプテンとして常にチームを鼓舞してきた筒香。その姿勢がナインに浸透してきたようだ。
筒香は常に「チームの勝利のために」行動する。個人タイトルにも期待がかかるが「勝ちに向かって100%のパフォーマンスが出せたらいい」と、フォアザチームの姿勢を崩さない。
☆プロのプレーを
開幕戦のヤクルト戦は「本当にいい戦いができたら」と、謙虚にコメント。去年はWBCが開幕前にあり、出場選手の中にはスランプになる者もいた。筒香も不調にあえいだひとり。ヤクルトの山田哲人も不振だった。「プロのプレーを子ども達にも届けたい」というのは、野球人口の減少に危機感を抱く筒香らしい言葉だ。
☆11年振りの本拠地開幕
30日は11年ぶりに本拠地で開幕戦を迎える。もちろんDeNAとなって初めてのことだ。本拠地で開かれた2007年の開幕戦は三浦大輔が高橋由伸に初球ホームランを浴びて敗戦。勝ち試合となると、山下大輔監督時代の2003年に、吉見が井川に投げ勝って以来となる。
チケットは早々にソールドアウトした。去年は日本シリーズに出場した。ファンの期待は高まっているが、投手陣に故障者が相次ぎ、台所事情は苦しい。そんなときほど、キャプテン筒香が勝利のために「普通の」ホームランをかっ飛ばしてくれるはずだ。
写真 どら増田
文 萩原孝弘