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横浜球団カレンダーにファン大ブーイング

 監督が交代しても3年連続で最下位独走の挙げ句の果てに身売り問題で大揺れした今年の横浜ベイスターズ。年が変わっても波瀾万丈は免れない。年末になっても来年のカレンダー問題で早々とファンの怒りを買っている。

 2011年の横浜ベイスターズカレンダーの表紙にいきなり佐伯貴弘の顔がある。今季限りで戦力外通告を受け、中日に移籍しているというのに。3月には、オリックスへトレードされた寺原隼人。さらには、6月にもソフトバンクへFA移籍した、元首位打者の内川聖一がいる。
 「他の球団に行ってしまった選手がいるのは、変だ。違和感がある」「思い出してしまうから、寂しくなる「寺原と内川は決まったのが遅かったからともかくとして、佐伯は早々と来季戦力外と決めていたのだから、いくらなんでもおかしいだろう」etcファンからは怒りの声が噴出している。
 球団側では、「11月23日のファン感謝デー前に発売する計画のために、人選の締め切りが10月初旬だったために、こうなってしまった」と釈明しているという。確かにカレンダー作りには日にちがかかるし、出て行ってしまった選手が載ることはままある。が、他球団へ移籍した選手が3人もというのは、異例だし、ファンが怒るのもわかる。

 しかも、カレンダー問題には単なるスケジュール上の理由では片づけられない深いチーム事情も隠されている。来季、4年連続最下位独走を回避するためにチーム改造するのは当然だが、チームリーダーになるべき内川に逃げられ、不必要な村田修一にFA残留されているのだから、話にならない。来季の新しい目玉は2年目の筒香嘉智で、現場首脳陣は「絶対に新人王を取らせる。巨人時代の松井に劣らない素材だ。三塁手として将来の4番に育てる」と明言していた。
 が、村田の残留で筒香を三塁に使えず、一塁で起用するしかなくなるが、一塁しか守れないハーパーをどうするのか。それなら、筒香を外野へコンバートするのか。将来の4番というのならば、まずポジションを確定して育てなければしようがない。
 理にかなったチーム改造をしないから、ファンも希望を持てないのだ。本来ならば、チームを去った村田が載っていると言われなければいけないカレンダー問題にも、迷走する横浜球団首脳の姿が表れていると言える。来年も早々に前途多難を思わせ、ファンにしたら、いい加減に愛想が尽きるだろう。

 マスコミの方はいち早く非常事態宣言が出ている。「来年、いつまた身売り問題が起こるか分からないから、これまでのように若手記者に任せるわけにはいかない」。新聞各社は、こう厳重警戒しており、いつ身売り問題が再燃してもいいように、横浜担当にベテラン記者を配置する緊急シフトを敷いている。
 「とりあえず来年1年間、横浜を担当する」という、これまでフリーで動いていた元遊軍記者がいれば、「横浜球団がマルハからTBSへ身売りした時に担当していた」と語る、横浜球団身売り取材経験者もいる。親会社TBSの横浜球団身売りに対し、準備は万端整っている。
 TBSのトップが「今後、いい話があれば応じたい」と、球団の身売り交渉の継続を明言しているのだから、当然だろう。横浜の身売り話再燃は時間の問題であり、Xデーがいつになるのかだけだといっていい。
 来オフまでに身売りが決まれば、TBSが所有する横浜ベイスターズは今季限りになる。そうなったら、ファンから大ブーイングを浴びている2011年のカレンダーは、貴重な記念品として稀少価値があるのだが。

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