12球団監督会議が開かれ(1月19日)、今季は「9回打ち切り制」を止め、コロナ禍前と同じ延長12回制となる。出場選手登録31人、ベンチ入り選手26人、外国人選手の一軍登録枠5人で出場は4人。この人数構成は昨季と変わらない。新型コロナウイルスの感染状況によって再考の余地は残されたが、今季のペナントレースの骨格が決められた。
そんなオンラインによる同会議後、各球団の監督たちはメディア取材にも応じてくれたが、注目はやはり“ビッグボス”新庄剛志監督だった。
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関係者の一人が会議中の新庄監督の様子を教えてくれた。
「おとなしく、聞き役に徹していました。会議後の会見では色々と意見したような口ぶりでしたが、実際に喋ったのは日本ハム球団の挨拶が回ってきた時だけ。他の監督は意見をぶつけ合う場面もありましたが」
しかし、日本ハムのキャンプが今から楽しみになるような“予告”もされた。
「いろんな部門のスペシャリストを呼んでいる。野球選手でない人たちからも」
8人の臨時コーチを招くという。うち一人は監督就任以降、名前を出してきた元広島の前田智徳氏だろう。要請した人たちからは複数の受諾回答を得ているとのことだ。具体名は教えてくれなかったが、“他業種のスペシャリスト”も指導するとなれば、キャンプの練習メニュー、ミーティングはバラエティーに富んだものとなる。
球界OB、他業種の著名人が次々とキャンプを訪れるとなれば、当然、2月のスポーツニュースのトップは、日本ハムが独占することになるだろう。
しかし、「新庄劇場」の始まりは、2月1日のキャンプ初日ではない。キャンプ前夜の全体ミーティングだ。自らの考えをまとめた本を選手、スタッフに配布するそうだ。その中身は非公開となるそうだが、チーム関係者の一人がこう言う。
「野村克也氏のスタイルを模倣したようです。配付される本は野球以外の話の方が多いみたい」
野村氏はヤクルトが長時間ミーティングを行い、自身の考え方を選手、スタッフに広めた。氏が阪神、楽天で指揮を執った時もミーティングは行われたが、「筆記が追いつかない」との悲鳴も出たため、プリント資料も配付されたそうだ。
「ファンだけではなく、日本ハム選手も『新庄監督はどんな野球をするのか?』と注目しています。楽しみな反面、不安もあるのでしょう。選手たちが新庄監督の出したサインに首を傾げることがなければ、強いチームに生まれ変わると思います」
そんな風に評するプロ野球解説者も増えてきた。
野村氏の薫陶を受けた何人かのプロ野球OBに聞いてみたが、「ミーティングは野球の話よりも、人生訓の方が圧倒的に多かった」と言う。
ビッグボスのキャラからして、配付される本には堅苦しいテーマはないだろう。若い選手たちをどうまとめていくのか、日本ハムキャンプが今から楽しみである。(スポーツライター・飯山満)