斉藤は03年に20勝(3敗)を挙げ、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、沢村賞などのタイトルを総なめにした。その後も4年連続で2ケタ勝利をマーク。06年には18勝(5敗)で、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、奪三振、沢村賞などのタイトルを獲得した。
ところが、07年に右肩を痛め、08年1月に手術。しかし、回復具合は思わしくなく、10年2月に再手術した。11年からは支配下選手枠から外され、リハビリ担当コーチとして、復帰を目指している。
08年から5年間も1軍登板のない斉藤。普通ならクビになってもおかしくないのに、年俸を払ってチャンスを与えているのは、功労者に対する球団の温情以外のなにものでもない。とはいえ、リハビリ担当コーチの立場も3年目とあって、いよいよ尻に火がついた格好。
契約を更改した斉藤は「無理したくないけど、無理しなければいけない部分もある。こんな状態が続いているので」と、来季がラストチャンスとの自覚もチラリ。
復活の兆しはなくはない。今季はフリー打撃に登板したり、打撃投手を務めるなど、「少しは良くなっている」と話している。来年2月の宮崎キャンプでは、2軍組で参加することが有力となった。今年のキャンプはリハビリ組だっただけに、大きな前進となる。
昨年12月1日には、おバカタレント・スザンヌ(26)と結婚したが、斉藤が低収入であるため、スザンヌは仕事を続け、東京と福岡を往復するハードな日々を送っている。現在はスザンヌの収入が多く、“格差婚”であることは明らか。格差を解消するには、1軍で復活登板を果たす以外にない。
来季ダメなら、さすがに球団も引退勧告を行うことが濃厚。クビになれば格差解消どころか、結婚生活の継続にも赤ランプがともる。もう後がない斉藤は、復活に向け必死だ。
(落合一郎)