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広島が今秋のドラフトの主役? ライバル他球団が有望候補の集中を阻止

 10月13日、高校生のプロ志願届け提出が締め切られた。合計87名。今年は駆け込み提出者がいなかったようだが、ある有望高校生を指して「進学の情報は本当だったんだ…」と、安堵の声も聞こえてきた。

 27日に開催されるドラフト会議は、広島東洋カープが主役になりそうだ。いや、精神的に疲れてしまいそうな1日となるだろう。

 ドラフト候補者の主役はビッグ3(藤岡貴裕=東洋大、菅野智之=東海大、野村祐輔=明治大)、高橋周平(東海大甲府)である。だが、一方で今年は『広島県に縁のある有望選手』も少なくない。広島は地元出身者を大切にする。また、県民も地元出身の雄がカープのユニフォームを着るのを楽しみにしている。しかし、他球団がそこに横やりを入れようとしているのだ。
 広島は野村の1位指名を表明している。1年秋に44年ぶり、史上5人目となる『シーズン防御率0.00』を達成。大学祭後の春のリーグ戦で通算300奪三振をマークし、当然、広島はエース候補と太鼓判を押している。しかし、日本ハム、ソフトバンク、横浜、東京ヤクルト、阪神、楽天も熱視線を送っていた。楽天については「同志社大の好捕手・小林誠司の一本釣り」を匂わせたこともあったが、明治大学といえば、星野仙一監督。自分の母校を他球団に踏み荒らされ、面白いはずがない…。
 「日本ハム、横浜は藤岡の入札をほのめかしていましたが…。藤岡は秋のリーグ戦で無理をしているというのが(怪我のため)、各スカウトの見方です。おそらく、藤岡を入札する球団が一番多いと思いますので、それを避ける意味で別選手に乗り換えてくる球団もあるかもしれない」(在京球団スカウト)
 奇しくも、今年は“広島出身”のドラフト候補生が多い。楽天が示唆した捕手・小林も広陵高校の出身。そう、野村−小林は07年夏の甲子園で佐賀北に逆転満塁弾を浴びた広陵高校のバッテリーなのだ。
 当然、広島カープは小林も欲しい。「明治、同志社を経てカープで再会、甲子園のリベンジを!」となれば、地元ファンも盛り上がるだろう。しかも、現時点で向こう10年を託せるような若い捕手がいない。
 「同志社大で成長した小林も即戦力です。捕手の人材難のチーム、あるいは正捕手が30代を過ぎたチームは放っておかないでしょう」(前出・同)
 広島の捕手は32歳の石原、36歳の倉。23歳の會澤も頑張っているが、強肩堅守の小林を補強しておきたい。楽天以外でも、捕手難・オリックスと横浜、正捕手がベテランの域に達している中日、東京ヤクルトが高く評価しているという。
 あくまでも、ドラフト本番の1週間前の情報ではあるが、外れ1位説、並びに「ビッグ3、高橋の競合を嫌った球団が小林を一本釣りする」との情報も交錯している。広島は「2位以下で」と考えていたが…。

 “広島出身の雄”はほかにもいる。4年春こそ調子を落としたが、常に3割強の高い成績を残してきた早稲田大学の外野手・土生翔平である。こちらも07年夏の甲子園で涙を飲んだ広陵高メンバーの1人だ。
 「神宮の星なので、東京ヤクルトが黙っていません。ソフトバンクも高く評価していますし、阪神は慶応・伊藤隼太外野手(の指名)を外したときに土生を、もしくは1位・伊藤、3位・土生で、2人とも獲るとの情報も流れています」(大学野球要人)
 07年の広陵高メンバーって、凄かったんだなあ…。

 つまり、広島はこの3人の指名を巡り、他球団と大心理戦を展開しなければならないのだ。前出の在京球団スカウトがこう言う。
 「広島県の高校に有望な内野手がいて、彼が締め切り直前にプロ志願届を提出するとの情報もあったんです。その内野手は12球団が認める打撃センスの持ち主ですが、巨人が一目惚れし、1位の菅野に次いで、2位指名するなんて噂もありました。カープさんにすれば、プロ志願届を提出しなくて良かったと思っているんじゃないですか。地元有望選手を巡る駆け引きが4年後に持ち越されて(笑)」
 このうえ、巨人とも心理戦を展開することになったら、野村謙二郎監督はドラフト会場で胃痛を訴えるだろう。
 ドラフトの情報は日々変わる。「あと10日余」と迫ったこの時点では、11球団から「広島さんは気苦労が多そうで…」の声も聞こえてきた。(一部敬称略)

※プロ志願届の締め切りを受け、本編はそれを提出しなかった高校球児につきましては、進学・就職に配慮し、氏名は明記しないことにいたしました。

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