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新人王のラストチャンス? 斎藤が「サタデー佑ちゃん」に変身

 「アナタは斎藤に投票しますか?」−−。ペナントレースも、いよいよ大詰めに差し掛かってきた。斎藤佑樹(23=北海道日本ハムファイターズ)は、「今季、主役になるべく逸材」として、プロ野球報道のトップニュースを飾ってきた。故障もあったとはいえ、プロ野球ファンに強いインパクトを残す投球は観られなかった。

 斎藤が4勝目を飾ったのは、8月20日(対オリックス戦)。奇しくも、同日は甲子園時代のライバル・田中将大投手もソフトバンク戦に先発し、完投で12勝目をマークした。06年の同じ日、2人は甲子園決勝戦で延長15回を投げ合った。「ともに成長した姿を…」と報じられたが、実は各メディアは斎藤が投げる度に『難題』に直面するという。
 今季の『パ・リーグ新人王』に相応しい選手は、一体誰なのか−−。

 「心情的には斎藤クンに投票したいと思っています。でも、チームが間もなく100試合目に突入しようとしている時期に4勝目ですからね。個人成績が高くないのなら、せめて、完封とか、10個以上の三振を奪う圧倒的なピッチングがしてくれれば…」
 投票権を持つ記者がそう言う。新人王は新聞各社の記者に『投票権』がある。投票権取得の規約は省くが、「斎藤に投票したいが、決め手がない」と話す者が多かった。
 成績、チーム貢献度で言えば、埼玉西武・牧田、千葉ロッテ・伊志嶺などの方が有利である。また、気になる情報も交錯している。
 「最近、斎藤クンは記者団と距離を置くようになりました。取材に応じたくない日があるのも分かりますが…」
 メディア投票は「人間関係」も大切なのである。川上憲伸がセ・リーグ新人王を獲得した98年のことだ。同タイトルのライバルは高橋由伸で、「どちらが獲得してもおかしくはない」と目されていたが、実際の投票数ではかなりの大差が付けられてしまった。
 当時、高橋はマスコミ各社とのコミュニケーション不足も指摘されるほど、「取材嫌い」だった。「きっと、他の人が高橋に投票するだろう。甲乙つけがたいが、心情的に川上」なる心理が働いたとしても決しておかしくはない…。心象が大きく影響した例は他にもある。西本聖が江川卓を抑え、沢村賞を獲得した81年もそうだった。当時、「20勝投手が選ばれないのはおかしい」と、ちょっとした騒動にも発展した。こちらはマスコミではなく、選考委員が決めるものだが、『空白の一日』が影響したとの指摘は今も否定されていない。

 「逆に、今の成績で斎藤クンに(新人王が)決まったら、世論が納得しないのではないか?」
 そう懸念するプロ野球解説者もいた。
 インパクトの強い投球が欲しい…。
 9月10日、斎藤と田中の直接対決が実現するかもしれない。田中将大は07年の『新人王』を獲得しているが、成績は28試合に先発登板し、11勝7敗。文句ナシの選出だった。野村克也監督(当時)には珍しく(?)、褒めながらの教育ではあったが、「5回100球メド」なんて“過保護な登板”は絶対にさせなかった。
 「好調な日本ハム先発陣の陣営から考えると、斎藤は暫く、中6日の土曜日先発が続くと思われます」(前出・関係者)
 『直接対決』が本当に実現するとしたら、田中に投げ勝ち、インパクトの強い結果を残せば、新人王は斎藤で決まる。もっと言えば、この試合は、斎藤にとって新人王獲得のラストチャンスなのである。(一部敬称略/スポーツライター・飯山満)

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