江戸川乱歩は、『押絵と旅する男』の中で、蜃気楼に“恐怖”を感じた。それを、乳白色のフイルムに墨汁をたらし変化するさまを見せる空の巨大な映画、というように例えていた。
あらためて、大気中、上部の空気が暖かく、下部の空気が冷やされた時、対岸の実像の上部や下部に、あるいは実像と虚像とが重なって、乱歩が例えたように乳白色に変転していくのが蜃気楼現象。それ以外、いまだ謎に包まれたままという絶景である!
確かに、なにか怖い、でも絶対みたい!そんな感じがしないだろうか。
蜃気楼を見たいなら…。
蜃気楼JR北陸本線魚津駅近くに最大の観測点があり、アクセスは容易だ。
付近は、<しんきろうロード>と呼ばれる散歩道になっており、また、魚津三大奇景のひとつ〈埋没林〉に関する<魚津埋没林博物館>では、蜃気楼映像も観られる。通年の観光が可能なのだ。
なお三大奇景とは、蜃気楼、埋没林(海に沈んだ杉の大木。直径3mのものも!)、ホタルイカ(海面を群泳し発光。)、という3つ。
魚津駅近くには、魚市場もあり、本場の味覚も堪能できる。魚津は、これからが観光シーズン本場のスポットだろう。