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丸佳浩の喪失で始まる広島カープの弱体化

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 日本シリーズ終了後のほうが“決戦”となりそうだ。
 福岡ソフトバンクホークスに敗れた後、広島東洋カープは「今シーズンの最大懸案」に着手した。丸佳浩外野手の慰留である。丸は国内FA権を取得した。一部メディアに「まだ何も考えていない。期間はあるので、しっかり考えたい」(11月3日)とだけ答えている。残留の言葉は聞かれなかった。巨人を始め、複数の球団が興味を示しているという。
「今季も本塁打39本塁打、打点97と活躍しました。主力バッターの流出は是が非でも阻止しなければ」(スポーツ紙記者)
 広島球団はシーズン途中から交渉を始めていた。主力選手がFA権を取得した場合、どの球団も例外なくシーズン中から説得に入り、球団側が選手に希望金額を聞き、実際に払える額との差を縮めておくのだ。

「丸の慰留は最大の懸案事項でしたから、球団の行った下交渉は一度や二度ではないはず」(前出・同)
 それでも、「何も考えていない」と丸が答えたところから察すると、権利行使する可能性はあると見るべきだろう。
 しかし、広島に詳しいプロ野球解説者はこうも見ていた。
「メディアの関心は丸にばかり向いていますが、松山竜平も国内FA権を取得しました。松山に対しても慰留の方向ですが、下交渉の回数が丸と違うとしたら、一大事ですね。仮に松山のほうが少ないとしたら、カチンと来るでしょう」

 松山も鈴木が故障離脱した際には4番を務めたほど。その松山がいなくなるとなれば、打線の破壊力は大きく違ってくる。
「今オフ、広島の近未来が決まると言っていい」(前出・プロ野球解説者)
 丸、松山のFA残留だけではない。広島は大きな転機に差しかかっているのだ。来季、菊池涼介、野村祐輔、今村猛、會澤翼が国内FA権を取得する。再来年には田中広輔もそうなる。仮に、丸、松山の2人が好条件で他球団に移籍するようなことになれば、それに追随する可能性も高まってくるというわけだ。
「今季広島が4月24日以降、一位から一度も転落することなく優勝できたのは、故障した選手の代わりを務める選手が出てきたからです。丸が故障していた間、野間が急成長して見せ、安部も一本立ちしています」(前出・同)

「育成のチーム」と言われてきたが、広島は選手を育てるのが上手い。
 丸の今季の推定年俸は2億1000万円。外国人選手を除けば、チームトップである。しかし、昨年の契約更改でのことだ。その栄えある地位を獲得したのに、更改後の会見で丸は喜んでいなかった。更改そのものも30分程度で終え、ちょっと不満そうな表情で記者団の質疑に答えていた。「自身が思っていたよりも上がり幅が小さかった」とも予想できるが、今になってみると、こうも考えられる。
 今オフ、FA権を取得するのは球団も分かっていたはず。なのに、複数年の契約を提示されなかった。オレは本当に必要とされているのか…。

「日本ハムは主力選手がFA権を行使しても引き止めることはしません。また、メジャー挑戦の意志を持った選手がいたら、入札制度を使ってそれを後押しするようなこともしています。『主力選手を売る』という流れがプロ野球にも定着しつつある」(球界関係者)
 育成のチーム、広島。主力選手には残留してもらいたいというのがファン心理である。
 丸はどんな選択をするのだろうか。また.広島は丸に追随するFA予備軍のことをどう捉えているのだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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