延長12回ドロー(2‐2)に終わった前日の第1戦から一夜、この日も先制点を記録したのは広島。1回裏2死3塁の場面から、鈴木誠也がショートへのタイムリー内野安打を放った。広島は3回裏、5回裏にそれぞれ2点を追加し、着実にリードを広げていく。
一方の投手陣は、この日先発のクリス・ジョンソンが7回1失点と試合を作ると、その後リリーフしたヘロニモ・フランスア、中崎翔太もそれぞれ無失点。試合は最後までリードを守った広島が5‐1で勝利し、対戦成績を1勝1分とした。
敵地福岡で行われる第3戦〜第5戦を前に、シリーズを先勝で滑り出すことに成功した広島。試合終了後のネット上には「投打ともに理想的な試合運びだった」、「前日のことを考えると今日の勝ちは大きい」、「この勢いで福岡でも頑張ってくれ」といった期待交じりの声が寄せられている。
1984年以来となる悲願の日本一に向け、まずは1つめの白星を挙げた広島。過去の歴史を紐解くと、シリーズを先勝したチームのV確率は「63%」という縁起のよいデータがあるが、その裏でいくつか不穏なデータもある。
1975年、1986年に続き、史上3回目となる“引き分け開幕”となった今年の日本シリーズ。実はどの年も広島が関係しているのだが、1975年は阪急に4敗2分、1986年は西武に3勝4敗1分と過去はどちらも敗退の憂き目にあっている。
加えて、嫌なデータはもう1つ。プレーオフ時代(2004年〜2006年)を含め、昨年までパ・リーグからはレギュラーシーズン2位以下のチームが3回日本シリーズに出場しているが、その全てがセ・リーグ優勝チームを下し日本一となっている。
こうしたデータを考えると、油断は禁物であることは自明の理。広島は“勝って兜の緒を締めよ”の精神で、第3戦以降も慎重に試合に臨みたいところだろう。
文 / 柴田雅人