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セックス・アンド・ザ・シティで学ぶ恋とセックス サマンサはセックスの女神? それともニンフォマニア?

 エキセントリック・ファニーとでもいうか、「ガールズ」4人の中で過激で笑えるセックスシーンを多く演じて視聴者を喜ばせたのがサマンサだった。

 サマンサのような奔放で放縦なセックスライフを送る男性ならたくさんいるが、70年代のフリーセックスの洗礼を受けたアメリカ女性でも珍しい。

 サマンサははっきり言ってセックス中毒かニンフォマニアに近く、こういう女性はともすれば同性に敬遠される。事実、シャーロットの兄とセックスをした事でシャーロットともケンカをする。が、彼女はズブズブとセックスの泥沼にはまらず、ワンナイト・スタンドを基本に相手を選び、イヤなものはイヤとスパッと切れる。しかもしっかりしたキャリアを持っていて単なるセックスマニアで終わっていない。カッコを付けたり、隠し立てもしない本音の人、というところが救いで、だからこそ他の3人と友情関係が続くのだ。女性にも人気が高いのもこういうところが評価されているからだろう。

 そして、大事なのは、彼女はお金やビジネス上のメリットが目的でセックスはしないという点。70代のプレイボーイ/億万長者と知り合ったエピソードでは、食事をしたらダイヤモンドがびっしり並んだチョーカーやイヤリングが皿に載せられており、すっかり有頂天になったサマンサだったが、いざセックスという場面で彼のお尻のキワがシワシワでタルタルなのをしっかりと見てしまい、逃げ出してしまう。いかに金銭的メリットがあってもイヤなものはイヤ、というサマンサの面目躍如のシーンだった。

 サマンサは女優のタイプで言えば「ファム・ファタール(悪女)」に入る。が、悪女は悪女でも可愛い気があり、セクシー路線でありながらも笑える気の利いたセリフを連発したメイ・ウェストの流れを汲むのではないだろうか。

 「サマンサはプロブレム(問題児)だね」とはミスター・ビッグのセリフ。確かに色々と問題は多いが、サマンサを演じたキム・キャトラル自身は「サマンサって面白いわ」と最初は断ったオファーを楽しんでいるようだ。(セリー真坂)

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