ビリーは今年、天王山2連覇に挑むが、昨年は苦い思い出しか残っていない。決勝はルード軍が乱入する大荒れの内容で「お客さんの評判はよくなかった」と素直に喜べない優勝だった。さらに、試合中に右肩鎖関節を脱臼し、その後欠場を余儀なくされた。だからこそビリーは「今年はキッチリと優勝して、昨年の悔しさ、不完全燃焼を払拭する」と燃える。
また、絶対に優勝しなければならない理由がある。現在、大阪プロレス王座はフリーのディック東郷の手中にあるが至宝を流出させたのは他ならぬビリーである。7月に東郷に敗れて王座から転落。「負けた男が実績もあげずに挑戦させろとは言えない」という前王者は、東郷への挑戦権を得るため、天王山制覇を自分に義務付けた。
だが、1回戦は難敵が立ちはだかる。パワーと突進力のある義人を切り崩すのは至難の業だ。それでもビリーは「他団体の選手とやるのは刺激があって楽しみ」と不安よりも期待を胸に、義人攻略を目指す。