K-1では同大会延期のアナウンスはまだしていないが、1カ月先の9月下旬開催で調整に入っているという。表向きの理由は出場選手が揃わないためといわれている。
同トーナメントには出場候補選手として、昨年度覇者の長島☆自演乙☆雄一郎、同準優勝の中島弘貴、横山剛、松倉信太郎、城戸康裕、山本優弥の名が挙がっていた。自演乙はプロレス参戦に伴う体重アップにより減量が間に合わないため、中島は故障が出場できない理由とされているようだ。
ただ、中量級日本人エースの自演乙に関しては「IGF8・27両国国技館にも出ますし、プロレス参戦も理由であるのは確かでしょう。しかし、自演乙に関しては未払い分のファイトマネーの問題がクリアされていないことも、出場しない大きな理由のようです」(格闘技ライターA氏)ともいわれている。
こうなると、根っこは深い。K-1の選手は続々と他団体へ転出し、アントニオ猪木のIGFプロレスリングに新たな戦場を求めたジェロム・レ・バンナやレイ・セフォーは、谷川貞治イベントプロデューサー(FEG社長)に対して辛らつな発言を残しており、K-1復帰はまずないであろう。
仮に70キロ級トーナメントを、9月下旬にスライドさせて開催を強行しても、事態はあまり変わらないようにも見て取れる。主力選手の出場が見込めず、実力不足、知名度不足の選手で興行をしても、観客動員につながらない。MAXシリーズは地上波テレビ(TBS)から放送を打ち切られ、イメージダウンによりスポンサーは次々に撤退している。唯一の収入源は興行収益のみ。
その興行がコケたら、もはや崩壊へとつながりかねない。K-1も、いよいよ剣が峰に立ったというしかない。
(落合一郎)