試合開始直後の前半4分、コーナーキックのチャンスを迎えたポルトガル。MFベルナルドのショートコーナーからMFモウティーニョが上げたクロスに、反応したのはFWクリスティアーノ・ロナウド。巧みなポジショニングで相手DFダコスタのマークを外し、豪快なヘディングシュートを叩きこんだ。
先制点を挙げた後は、負ければグループステージ敗退が決まる、モロッコの猛攻にさらされる場面も多かったポルトガル。ただ、その後お互いにスコアが動くことは無く、エースの1点を守り切ったポルトガルが今大会初勝利を挙げることとなった。一方、敗れたモロッコは早くもグループステージ敗退が決定している。
初戦のスペイン戦でのハットトリックに続き、今大会4点目となるゴールを記録したロナウド。試合前の時点では、ロシアMFチェリシェフ(3得点)に並ばれていた得点王争いも、再び単独トップに躍り出た。
2試合で4得点、ペース換算すると1試合に2得点というハイペースでゴールを量産しているロナウド。次戦のイラン戦でも2得点を挙げると、前回の2014ブラジル大会における得点王(コロンビアMFロドリゲス・6点)に早くも肩を並べるということからも、その好調ぶりは大いに伺えるだろう。
ちなみに、今後このペースが続くと仮定すると、歴史を塗り替える偉業も視界に入って来る。W杯における“1大会得点記録”は、1958年スウェーデン大会でジュスト・フォンテーヌ(フランス)が記録した「13」だが、ロナウドが現在の得点ペースで最大試合数である7試合を終えると、得点数は「14」となり、60年ぶりの大記録が樹立されることとなる。
グループステージ突破のかかる25日のイラン戦。記録的なハイペースで得点を量産するチームの大黒柱には、“3戦連発”の匂いも十二分に漂っている。
文 / 柴田雅人