ただ「おもしろ荘」は、「M-1」のようなガチンコ度の高い賞レースと言うよりは、ユルめの面白キャラの発掘に力を入れているように見える。2019年度の放送はどうであったのか、改めて振り返ってみたい。この年にエントリーした芸人数は何と902組、そこから選ばれた10組が登場した。
1位に輝いたのは、芸歴11年のぺこぱであった。着物姿のキザ芸人キャラの松陰寺太勇とシュウペイによるコンビである。所属は髭男爵、ダンディ坂野、小島よしおなどキャラクター芸人を多く擁するサンミュージックプロダクションである。ネタのインパクトはあるものの、アクが強すぎたのが、「おもしろ荘」で優勝するも本格的なブレークには至っていなかった。しかし、今年の「M-1」の決勝戦に出演、ファイナルステージにも残りブレーク必至と言われている。
2位にはセルライトスパ、3位にはゼストがランクインした。セルライトスパはボケの大須賀健剛がピン芸人日本一を決める『R-1ぐらんぷり2019』(フジテレビ系)で準優勝を果たすなど、着実に結果を残しており、ブレークまであと一歩といったところであろう。ゼストは一見すると失敗した風のボケを繰り返すシュールなネタで知られる実力派コンビだ。こちらも、少しわかりづらさが伴うコンビと言えるかもしれない。
もともとアクの強い芸人をそろえているだけに、「おもしろ荘」出場者は必ずブレークが約束されているわけではない。ただ、ひょっこりはんのように優勝を逃してもブレークする例もあり、やはり出場芸人には要注目の番組であると言えそうだ。