中田翔は高校通算87本塁打(甲子園球場で4本)を放ち、一躍全国区になり、昨年の“ドラフトの目玉”になった。
「50年に一人の逸材」「清原和博を超え、新人で本塁打王も」
マスコミの持ち上げ方も尋常ではない。もちろん、高校生とはいえ、おだてられて悪い気はしない。だから口も軽やかだし、大きく滑ることもあった。
「対戦したいのはダルビッシュさん」
なんと昨年のパ・リーグMVPの名前を挙げた。同じチームとはいえ大胆な発言だった。さらにエスカレートする。
「王さんのようなホームラン打者になりたい」
このあたりで球団が危機感を持ったという。
「しゃべり過ぎ、とフロントは青ざめました。プロでまだ1球も打っていないんですから。ファンサービス、リップサービスをする実績なんてゼロなんですからね。本人にきつく注意したそうですよ」(担当記者)
“ビッグマウス”の素質たっぷりである。
ご当人はすぐホームランを打てると思い込んでいる。「笑わせないでほしいね」とお怒りなのはタイトルホルダーの評論家氏。
「欠点だらけの打者の典型ですね。あの大甘のスイングではインコースはほとんど打てない。清原ですらインコースに悩んだまま。それとあの大きなスタンスはどうしようもない欠点だ。あれでは体が回転しない」
また別の大物評論家も「日本ハムの打撃コーチは頭を抱えるだろうね。緩い球は打ててもプロの速球はまず打てない。それにプロの鋭いカーブなど変化球にはバットがかすらないのではないか。空振りの多いバッターだね」
つまり“扇風機”だというのである。
素人と玄人の評価の違いを無視して、北京五輪の日本チーム星野仙一監督が五輪候補選手に中田翔を入れた。「あのヘッドスピードは10年、20年に一人の逸材だな」と最大級の言葉を贈った。中田翔は「大感激です」とまた舞い上がってしまった。
この発言、関係者によると「完全な人気便乗発言。プロ野球がキャンプから公式戦に入ると、五輪の話は一時消える。星野としてはスポンサーも含めて絶えず注目されないと困る。それで中田を利用したというところでしょう」
そうヨイショしている陰で「中田翔はインコースが問題」と指摘。さらに「オレが日本ハムの監督なら打てなくても最初から使い、どんなに打てなくても外さない」と日本ハムの梨田新監督にプレッシャーをかける始末。球団関係者が「中田同様、口が過ぎる。余計なお世話だ」と怒ること。
中田翔はあの面構えが示すように、少々のお説教では悪のりは変わらないらしい。
「彼女はいますよ」「小遣い30万円じゃ、何も買えないよ」…。
こんな発言をしていてファンの支持を得られると思っているのだろうか。
「バカなヤツだね。プロの洗礼は半端じゃないからね。いきなり胸元に速球がきたらひっくり返って、そのまま自信喪失というルーキーは何人もいたからね」(ベテラン記者)
プロ野球のキャンプインは2月1日。連日厳しい特訓が待っている。中田翔の真の姿が浮き彫りにされるが、口は災いの元、にならなければいいが…。