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日本シリーズの舞台裏 王手の原巨人 投に不安あり

 日本シリーズ第5戦が5日、東京ドームで行われ、巨人が得意の一発攻勢でサヨナラ勝ち。7年ぶりの日本一に王手をかけた。昨年の雪辱を晴らすべく敵地札幌に乗り込むことになったが“胴上げ投手”が不在。両軍ともに手詰まり状態に陥っている。

 この日、巨人は2回にエラーで先制点を許したものの、8回に代打大道がタイムリーを放ち同点に追いついた。9回に再びリードを許したが、その裏に守護神の武田久から亀井、阿部のソロホームランでサヨナラ勝ち。昨年と同じく5戦目で王手をかけた。
 日本一に“マジック1”とした原辰徳監督は「いやあ、劇的といいますか、よく打ってくれた。必ず北海道で(日本一を)奪回します」とファンに誓約した。
 劇的勝利でチームのムードは最高潮。札幌ドームでの決戦に向けてこれ以上ない弾みをつけたが、しかし油断は出来ない。

 思い出されるのは昨年の日本シリーズ。巨人は先に王手をかけながら、先発、リリーフと大車輪の活躍を見せた西武の岸を打ち崩すことが出来ず日本一を逃した苦い記憶がある。
 今シリーズの巨人には、昨年の西武・岸のような“シリーズ男”が不在。さらにチーム2番目の勝ち星をあげながら、ケガにより戦線離脱を余儀なくされていたグライシンガーが「今年はもう投げない。来年に備える」と表明したことで、安定感のある先発がいなくなった。
 一方、後がなくなった日本ハムも同じ。吉井理人投手コーチは、故障を抱えているダルビッシュ有の起用法について「中継ぎでは投げないと思う。投げるなら先発」。第7戦での先発が有力視されるが、ダルからバトンをつなぐ投手を誰にするかが問題だ。
 大黒柱が“ワケあり”のため、起用法に頭を悩ませる両軍。昨年同様最終戦までもつれる可能性も十分あり得る。

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