スピッツァー氏は、「クライアント(顧客)9」と呼ばれていたという。
同クラブはニューヨークを拠点にロサンゼルス、マイアミ、カナダのほか欧州のロンドン、パリなどにも女性を派遣。「私たちは、類まれなスタンダードの紳士たち向けに、ファッションモデル、美人コンテストの優勝者、優秀な大学生や卒業生、金融や芸術、マスコミなどで成功した女性を専門に扱っています」と、うたっていた。
在米の日本人ジャーナリストの話。
「クラブのホームページ(現在は閉鎖)によると、女性はダイヤモンドで7段階に格付けされていた。1日コースだと、『三つ星』女性で1万ドル(100万円)、最高の『7つ星』女性は3万1000ドル(310万円)です。時間コースなら『三つ星』女性で1時間1000ドル(10万円)、『七つ星』女性なら1時間3100ドル(31万円)。一般庶民には想像できないほどの高級ぶりです。顧客は固有名詞を一切使わず、スピッツァー氏は『クライアント9』として、組織と連絡を取っていました」
連邦検察当局が、同クラブの捜査を開始したのは昨年10月から。電話やテキストメッセージの傍受などを行っていたという。スピッツァー氏は、今年2月中旬、滞在していたワシントンのホテルから同クラブに電話し、女性を派遣するよう要請。このときの会話が当局に盗聴された。スピッツァー氏はそのとき、交通費など経費も入れて4300ドル(43万円)支払ったという。同氏は昨年夏ごろから少なくとも8回以上、同クラブを利用しており、総額は8万ドル(800万円)以上にのぼるという。
同氏のお相手をした女性は、“源氏名”「クリスティン」と呼ばれる、マンハッタンの35階建てマンションに住むクラブ歌手、アレクサンドラ・デュプレさん(22)。
「彼女はニュージャージー州出身で17歳の時に家出。彼女のブログによると、薬物乱用、ホームレスなどの経験をした後、ニューヨークのナイトクラブでR&B歌手として活動。フランク・シナトラやクリスティーナ・アギレラらの影響を受け、一流歌手になるのを夢みていた。ブログには最近吹き込んだ『私たちが欲しいもの』という曲があり、“あなたは私を操れる?”という意味シンな歌詞もありました。彼女、身長165cm、体重47.6kgで巨乳、黒髪のかわいい女性です。料金は1時間5500ドル(55万円)で、ランクは中レベルということです」(前出・ジャーナリスト)
この騒動で、デュプレさんは「家賃が(月35万円)が払えるか心配。友人のレストランで働くか、マンションの契約が切れたら実家に戻るかも…」と、ガックリしていた。ところが、歌2曲がダウンロードできる音楽サイトの値段は上限の98セントに達し、計20万回ダウンロードされたという。売上の7割が彼女の取り分というから、単純計算でも13万7200ドル(1372万円)稼いだ計算。また、男性誌「ハスラー」は彼女に100万ドル(1億円)で撮影を依頼すると表明。「ペントハウス」誌もヌードを狙っているという。暴露本を出版する可能性もあるというから億万長者への階段を上ることは間違いない。
米メディアは、今、売春スキャンダル一色。テレビに登場した同クラブに在籍したことがある女性(24)は、「生活に苦しんでいた女優時代に成功を夢見て組織に入り、1時間あたり600〜1200ドル(6〜12万円)で働いていた。週末丸ごと2万9000ドル(290万円)の契約もあった。避妊はしていました。取り分は予約を取り付けた者が10%、残りを組織と女性で折半するというシステムでした。顧客は弁護士や社長、ウォール街の実業家ら知的な男性ばかりでした」と、ニューヨークの売春事情を告白している。
「今、顧客リストに注目が集まっている。ABCテレビは『ニューヨークの別の公人が顧客だった』と伝え、英紙も『英国の公爵が顧客だった』と報道しています」(米紙日本支局特派員)
この売春スキャンダル騒動、当分、続きそうだ。