既に京セラドーム内や、大阪メトロの駅などには『ファンも、選手も、みんな大好き、ありがとう、マモさん』と書かれたポスターが掲示されており、京セラドーム2階のオフィシャルグッズショップBsSHOPでは、岸田の特設コーナーが設けられ、モニターにはエンドレスで引退する岸田の映像が流されている。岸田のユニフォームやタオルなどを手に取るファンの姿も見られた。20日に行われた引退会見では「すっきりしています。悔いがないわけではないですが、やり切った気持ち。すごく優勝はしたかった。悔いはそこだけですね」と話していた岸田。「誇れるような数字はない」と言っていたが、先に引退した小松聖2軍投手コーチ、佐藤達也広報とともに、ファンにとっては今でも誇れる存在である。
「マモさんにキレイな形で繋ぎたい」
29日の先発は、昨年セットアッパーとして、岸田とともにブルペンに入り、岸田のことをとても尊敬している“神童”山本由伸が予定されている。由伸は規定投球回数をあと6回残しており、最低でも6回を7失点以内に抑えれば防御率のタイトルが舞い込んで来る。「キレイに」というのは最小失点かつ勝ってる場面でということ。岸田は今季1軍の出場がないが、ファームでは最近まで投げており、防御率も悪くない。チームは既に最下位が決定しているだけに、セーブシチュエーションの状態で最終回に登板すれば、今季初登板かつラスト登板でセーブがつく可能性もあるのだ。
球団は当日、25,000枚のボードを観客に配布し、功労者である岸田のラスト登板を後押しするとのこと。相手は強敵のソフトバンクだが、この日は今季最後にして最大の意地をチームに見せてもらいたい。岸田に対する最大の恩返しはこれしかない。
(どら増田)