「それは、70年代半ばくらいの話でしょう。丁度、サザンオールスターズが衝撃のデビューを果たし、早速、『すすめ!パイレーツ』(江口寿史作)で、登場するキャラが《勝手にシンドバッド》を噛まずに熱唱しようとする、というギャグになっていた頃の広告だと思います」(お宝ライター)
“日ペンの美子ちゃん”の公告と並ぶように掲載された、その通販広告ページに載っていた謎の商品の数々は、今でも都市伝説的語り草である。
「『セッチマ』という歯磨き、『コピア』、ドイツ生まれ、という触れ込みの『ヘアーカッター』、さまざまありました。漫画をうまく書けるようになりたくて、『コピア』を買いました。…そうです、外人さんが机に向かってコピアを覗いて何か作業をしている緑のイラストが印象的な。マジックミラーになっている穴を覗いて絵を写すのですが…。それから、バスケが好きだったのでバスケの練習用にパワーリストも買いました。中に敷かれた金属の曲がり具合もなかなか自在で、これは重宝しましたよ」(同)
懐かしい商品名は続く。
「ほかに、『ハンドミシン』とか、『コルト型メジャー』とか…たんなる実用品が多かったのも面白いですね。(笑)なのに興味をそそる広告で、惹かれて思わず親にねだった少年たちも多かったのではないでしょうか」(同)
こんな商品もあった。
「『ドクターキャツポー』を買ってもらいました。脳波を調べるため、磁石みたいなものを指先にマジックテープで固定、機械がプープー音を出すのですが、ランプが赤色から青色に変化するとα波?が出ている状態。但し、動いただけで赤ランプに変わるので勉強をいつしていいのか…。付属品の、音楽をバックにオヤジがぶつぶつ言っている瞑想テープも印象的でした」(別のライター)
ちなみにこのグッズ、Dr.Cats Pawが、正式名称。猫の手も借りたい、という? ネーミングセンスだったのである。今も都市伝説的グッズとして輝きを放つ。
しかしながら、これらの商品をオークションなどで見かけることは少ない。いまいったい、どこら辺の市場を漂っているのかも謎である。