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大船渡・佐々木、ドラフトを前に「メンタル面」の心配? 「書類審査」恐れ星稜・奥川への乗り換え多発か

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 U-18野球・ワールドカップ(8月30日開幕)を戦う日本の高校球児たちが開催地・韓国に向けて出発した。注目は最速163キロを投げる令和の怪物・佐々木朗希(大船渡=3年)と、夏の甲子園大会・準優勝投手の奥川恭伸(星稜=3年)の2人。「両投手の継投」という、贅沢な起用法も期待されていた。しかし、国際大会でも「佐々木温存」となるかもしれない。

 「大学・日本代表チームとの壮行試合後、佐々木の右手中指に血マメができていました。その影響で27日以降、ノースローで調整させています」(アマチュア野球担当記者)

 怪物の脆さがまた露呈してしまった。岩手県大会決勝戦では「故障回避」のため、登板できなかった。血マメについてだが、投手出身のプロ野球解説者によれば、「個人差はあるが、一週間は投げられないのでは」と予想していた。

 その血マメのせいだろうか。12球団はU-18野球W杯の視察において、必要最低限の人数しか、スカウトを派遣しないという。

 「佐々木に対する評価は、たとえ登板回避となっても変わりません。『佐々木か、奥川か』で決めかねている球団もまだあるようですが、“本番”は帰国後になりそう」(在京球団スタッフ)
「本番」とは、佐々木に対する最終判断を下す時のこと。

 佐々木は4月のU-18の強化合宿中の取材で「プロ志望」を明言している。そして、今回の韓国入りと前後して、佐々木のスケジュールが各球団に伝えられたのだ。前出の球団スタッフによれば、帰国後、家族会議を開き、9月14日土曜日からの3連休が明けたあたりに、正式な進路表明の記者会見を行う予定になっているそうだ。

 「おそらく、清宮(幸太郎=日本ハム)の時と同じように、各球団との事前面談になると思います。正式な進路表明後、学校側と日程調整をし、佐々木サイドに育成プランを説明することになると思います」(前出・同)

 各球団とも、この育成プランの説明に頭を抱えていた。

 清宮がドラフト候補だった2017年、1位指名を予定していた各球団が育成プランとチームビジョンなどを説明した。ドラフト会議の1位指名は入札・抽選制なので、仮にその説明会で「行きたい球団」「行きたくない球団」ができたとしても、対象選手側には後者の入札を止める権限はない。説明会はある種のパフォーマンスにすぎないが、こんな声も聞かれた。

 「佐々木は4月の強化合宿後、医師の診断を受けています。まだ体が成長過程にあることが分かり、医師とも相談しながら練習メニューを決めてきました。説明会に臨む球団は、理論的に、根拠を示しながら育成のプランを説明できなければ、悪い印象を持たれてしまいます。佐々木サイドは、指名されても辞退する球団を内々に決めてくるのではないか?」(球界関係者)

 U-18W杯に必要最低限のスカウトしか派遣しなかったのは、説明会に臨むための資料作りのためか…。

 もっとも、年長のスカウトマンによれば、どんなに明確な育成ビジョンを持っていても、その球団独自の雰囲気に合わない、あるいは、指導者との相性が選手の将来性を左右してしまうという。今だから言えるが、説明面談を経て、清宮の指名を諦めたチームもあったそうだ。

 プロ野球全球団は佐々木を「10年に一人出るか、出ないかの逸材」と高評価している。しかし、メンタル面で強い奥川に乗り換えてくる球団も出てきそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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