亀田騒動の余波が防衛戦に挑む王者陣営に陰を落としているようだ。
報道陣の前でスパーリングを公開した坂田は4Rにミット打ちをこなし、金平会長からも「いいストレート」「ナイスボディ」と声が飛ぶほどの好調ぶり。坂田自身も「すごく体調がいい。いつもの試合ができる」と好仕上がりをアピール。亀田問題について言及されても「協栄ジムの良くないイメージを払拭したい。ボクシングを始めたいと思われるように憧れられる存在になれれば」とサラリと受け流し、あくまで順調さを強調した。
しかし、そんな王者の快調ぶりとは裏腹に協栄ジムの指揮官ともいえる金平会長が、亀田興毅と2人で開いた26日の会見から連日のテレビ出演の影響でタオル投入寸前のグロッキー状態。金平会長は「もうボロボロ。ちゃんと寝ないと死ぬ」と切実な叫びを訴えている。
会見当日からの4日間で合計14本、この日も公開練習前にも3本のテレビ出演をこなす超ハードスケジュールで睡眠時間も1日に2、3時間しか確保できてないという。金平会長自身も「きょうが何曜日かわからない」と焦点が定まらない虚ろな目でうわごとを繰り返すほどの疲弊ぶり。
金平会長の焦燥ぶりは、協栄ジム関係者も「精神的な疲労だろう。総理大臣からも苦言を呈されるほどで社会問題化してしまったからね。律儀な人だから出演オファーがあったものは全てこなした。一つ一つ言葉を選びながらしゃべらなきゃいけないから、そりゃ疲れる。このままじゃ、倒れかねないよ」と夢遊病患者のごとく足元がフラつくボスの身を案じるほどだ。
ジムに集まった近所の子供たちからは「あのおじさん、すごいクマだねえ!」と驚嘆の声が上がり、報道人の間からは「内藤大助VS亀田大毅戦以来、会長の目の下のクマが日ごとに1ミリずつ広がっている」と誠しやかにウワサされ始めている。
金平会長は「坂田の世界戦は再重要案件」と鋭い口調で力強く語ったが、ここまで心労がピークに達していては、坂田陣営の司令塔的な役割を全うできるのか一抹の不安も残るところ。
亀田騒動が一段落したのも束の間、協栄ジムの再出発となる坂田の世界戦に、会長がグロッキー状態という新たな懸念材料が浮かび上がってきた。