2月9日付のニューヨークポスト紙(現地8日)によると、今春のワールド・ベースボール・クラシック(以下=WBC)での注目の日本人選手はオリックス・山本由伸投手と、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆内野手だという。
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その侍ジャパンの主砲・村上がフリー打撃で快音を響かせ、推定飛距離130メートルの場外弾まで放ってみせた(2月9日)。
「今日はフルスイングをして、右方向に引っ張ると決めて打撃ケージに入りました」(関係者)
調整はうまく行っているようだ。しかし、今回のWBCでキーマンとなるのは、山田哲人内野手ではないだろうか。
同日の山田は特守に臨んでいた。100球以上が放たれたが、ミスはゼロ。これだけでもスゴイのだが、山田は左右に揺さぶられても、必ず腰を落として、ボールを体の正面で捕球していた。「基本」に忠実だった。
「去年は打撃成績がイマイチで悔しい思いもしたようです」(前出・同)
練習後、山田は体の正面で捕るところまでボールを追い掛けた理由を「守備だけじゃなくて打撃にもつながるし、下半身を作るという意味で」と取材陣に話していた。
まだ衰える年齢ではないが、今年31歳、プロ13年目のベテランが地味に、そして着実に下半身を鍛え直していた。
山田の経歴について、改めて調べ直してみた。WBC、プレミア12、オリンピックの全てでホームランを記録している日本人選手は、山田だけだ。
「大会MVP」にも選ばれた東京五輪では、打率3割5分の好成績も残しており、「国際大会で最も頼りになるオトコ」とも言える。
2月17日から始まる侍ジャパンの強化合宿を指して、こんな情報も聞かれた。
「日本人メジャーリーガーたちの合流遅延は避けられません。その影響で外野手が不足してしまうので、巨人・岡本和真内野手だけではなく、山田にも外野ノックに入ってもらおう、と」(球界関係者)
栗山英樹代表監督も国際試合での打撃力の高さを聞かされているはずだ。
「外野」と言えば、ヤクルトキャンプでも異変があった。
捕手の内山壮真選手がシートノックでレフトに入ったという(7日)。
高津臣吾監督は「打てる捕手」に育てるため、「捕手以外のポジションでも出場できるように」と話していたが、ヤクルトの外野陣にはサンタナ、塩見泰隆、青木宣親、山崎晃大朗、丸山和郁など実力者も多い。
「中村悠平との正捕手争いにも厳しいものがあります。でも、内山が外野の練習を始めたことでレギュラー争いの緊張感も出てきました」(前出・関係者)
主砲、ベテラン、若手が順調な仕上がりを見せていた。山田がWBCで“爆発”すれば、球団史上初の3連覇と「日本一奪回」も見えてくるだろう。(スポーツライター・飯山満)