渡辺といえば、オンナ芸人として活躍する一方でファッションリーダーとしても女性から注目されている。ツイッターフォロワー数は約79万人、インスタグラムのフォロワー数は約190万人を誇り、SNSに写真を投稿すれば、たちまち「可愛い!」などのコメントが殺到。国内最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクション」に出演するなど、ファッション業界でも活躍している。
そんな渡辺がプロデュースするファッションブランド「PUNYUS」は、ジャンルに捉われる事なく、全ての女の子にファッションを楽しんでもらうというコンセプトのもと、フリーサイズから6Lサイズまで豊富なサイズを展開している。購入層について、広報担当者は「10代後半〜20代前半のヤング層が中心ですが、30代〜40代まで幅広くご購入いただいています」とコメントした。
幅広い層からも支持を得ている同ブランド。やはり気になるのは売り上げ。具体的な数字は控えたものの「前年比200%以上で、好調に推移しております」と回答した。
なぜ、そこまで好調なのか? 「他ブランドには見られない目玉焼柄やモチ柄などといった大胆でコミカルでポップなモチーフを使ったアイテムや、Tシャツやブルゾンなどを、あえてビッグサイズでトップにボリュームを持たせたスタイリング提案が、ぽっちゃりのお客様だけでなく、標準体型のお客様にも受け入れられました。プロデューサー渡辺直美さんのポジティブで飾らないキャラクターや、SNSなどでの発信力も、人々を惹きつけているのだと思います」と好調の要因を分析。
芸人がプロデュースするだけに奇抜なデザインが魅力の同ブランド。渡辺直美のセンスがブランドのデザインクオリティを引き上げているようだ。「PUNYUSならではのPOPな柄使い、色使いはもちろん、サイズごとの細かい着心地に対するニーズに応えるため、1サイズごとにパターンの細部を調整したり、非常に伸縮性のある生地を使用するなど、機能性にもこだわっています」とデザインのこだわりについて説明した。
さらに、「エンターテインメント性の高いブランドとして、国内外のファッションイベントでは、パフォーマンスを交えたファッションショーなどを行ったり、SNSでスタッフコーデや、おすすめのスタイリングなどを配信し、トレンドに敏感なお客様への訴求を行っています」とブランド戦略を明かした。モノが溢れた現代では、“待ちのスタンス”でモノを売っているだけでは、商品は売れない。イベントを立ち上げ、さらにSNSを活用してターゲット層に有益な情報を率先して配信するという非常に積極的なプロモーション方法で売り上げを伸ばしているようだ。
ただ、芸能人がファッションブランドをプロデュースして、成功することは容易な事ではない。記憶に新しいのは2014年、元AKB48の篠田麻里子プロデュースのファッションブランド「ricori(リコリ)」が、全3店舗を閉鎖。ricoriの運営会社である株式会社レゴレは自己破産。人気芸能人のファッションブランドだっただけに、衝撃が走った。
様々なブランドが乱立しているファッション業界。そんな競争が激化している中で勝ち残ることは非常に難しいが、今後の目標について「ファッションエンターテインメントブランドという新しいジャンルを世界中に浸透させていくこと」と掲げ、「『着て! 見て! 触れて! 楽しい!』ブランドとして世界中の女の子を笑顔にしたいです」とコメントした。