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DeNA、田中浩康氏のファームコーチ就任が決定! 慕われる男がベイスターズに帰ってくる意味

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田中浩康コーチ

 ベイスターズは2軍内野守備走塁コーチとして、昨年惜しまれながらユニフォームを脱いだ田中浩康氏の就任を発表した。

 田中氏はスワローズで12年、ベイスターズで2年の計14年の現役生活で、ベストナイン2回、ゴールデングラブ賞1回受賞した名バイプレーヤー。特にバントや右打ちでの進塁打、華麗な守備などのいぶし銀の働きを見せた。現役引退後は母校の早稲田大学野球部でコーチを務め、小宮山悟監督を支える存在であった。

 ベイスターズ在籍時には、キャプテンだった筒香嘉智曰く「こんなにチームのことを考えている人がいるのか」と感心され、宮崎敏朗は色々質問した時に「答えを持っている」と、困ったときの良き相談役として頼っていたとなどのエピソードが多数。スワローズ時代に一緒に戦った経験があるラミレス監督からは昨年5月、選手たちを陰から支える「ダグアウト・キャプテン」に任命されるなど、縁の下の力持ちとしてチームのために尽力し続けた頼れる男であった。

 昨年のファンフェスティバル後に、「いずれは指導者になれればいいな」と今後の夢を語っていた田中氏の希望通り、わずか1年でプロの現場にカムバックすることが決まった。

 ベイスターズは毎年の様に機動力野球を掲げながら、今シーズンの盗塁数はわずか40止まりで12球団ワースト。データを重視するラミレス監督も、「盗塁数はワースト」とシーズン中も度々気に掛けていたが、結局2番にネフタリ・ソトや筒香嘉智を置くような“ビッグベースボール”で得点を奪う戦略となった。“スモールベースボール”を実現するにはうってつけの人材である田中氏が、再び青のストライプに袖を通す意味は非常に大きい。また、基本に忠実なプレーが身上であった田中氏は、2015年の秋季キャンプから毎年掲げられているスローガン「凡事徹底」にもぴったり当てはまる。

 球団から正式発表のあった6日に、自らのTwitterでも「宜しくお願いします」と投稿し、ファンから早くも大歓迎のコメントが多数寄せられている好漢が、多くの若い力を送り出すべく、横須賀の地でコーチングをスタートさせる。

取材・文・写真 / 萩原孝弘

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