昨年ROH世界王者として日本と米国を行き来し、20度の防衛を果たすなど厳しい1年間を経て大きく成長した“怪物”が、さらなる進化を遂げようとしている。
昨年の1・21日本武道館大会での三沢戦。場外で強烈パワーボムを見舞い、急角度のバックドロップでたたき付け、試合後の三沢を病院送りにするなど大善戦したが、森嶋自身は「地に足がつかずテンパッていた」と納得していない。
その敗戦からおよそ1年。昨年は自らイバラの道に飛び込むかのように、米国と日本を往復する厳しいスケジュールをこなした。「米国で経験した試合も移動も含めたすべてがオレを劇的に変えた」と自ら成長の手応えを口にする。
さらに森嶋は必勝を期すため現在、最終兵器の開発に着手している。2001年4月に行われた初代GHCヘビー級王者決定トーナメント決勝戦の高山善廣戦で三沢が繰り出したファイナルエルボーコンビネーションからヒントを得た新技。それがファイナルモリシコンビネーションだ。
三沢のコンビネーションはショートレンジ式→ワンツー式→ローリング式→ランニング式のエルボー4連発。対する森嶋はエルボー→バックエルボー→裏拳→ビッグブーツ→ラリアートを5連発でたたき込む。
140kgの巨躯から繰り出される打撃はどれも一撃必殺の威力を秘めるが、森嶋は「オレのコンボは社長のより一つ多い」とニヤリ。確かに本家の三沢を超える5連コンボとあって、その破壊力たるや計り知れない。現在は最終兵器の完成を目指し、連日道場で汗を流している。
「最後は5連の中でも一番強烈なラリアートをお見舞いする」と早くも三沢戦に向けて盛んに腕を撫(ぶ)す森嶋は「これを食らえば、いくら受けの強い社長でも、さすがに立ち上がってはこられない」と言ってはばからない。
“最強の挑戦者”森嶋はさらなる進化中。最終兵器が完成した時、三沢超えの歴史的な瞬間が訪れることは間違いない。