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完全復活のDeNA・今永昇太、“絶対エース”が握るチーム浮沈の鍵

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今永昇太

 前半戦のベイスターズ先発陣の屋台骨を背負ってたった今永昇太。昨年、4勝11敗、防御率6.80と苦しんだピッチャーとは思えない程のピッチングをオープン戦から披露すると、自身初となる開幕投手を任され見事に勝利する。その後も堂々のピッチングを続け、10日現在、8勝4敗、防御率2.66のエースに相応しい成績で、5月の月間MVPをも受賞した。勝利数はリーグ2位、奪三振数118と、奪三振率10.11はリーグトップの数字で、クオリティスタート率は8割と、今年もフル回転のリリーフ陣の負担を軽減させている点も見逃せないポイントだ。

 開幕投手となれば、相手チームのピッチャーも当然ながらエースとなる。昨年の最多勝投手、カープの大瀬良大地とは3回対戦し2勝負け無し。交流戦ではホークスのエース・千賀滉大相手にも投げ勝つなど、印象深い活躍も多い。敗れはしたものの、ジャイアンツ菅野智之、山口俊や、タイガース西勇輝らにも互角の投げ合いを見せ、その逃げない姿勢をカード頭のゲームで見せることで、チームに勢いを付ける事にも成功している。

 しかし、不安点もある。さすがに疲れの影響からか、4月は1.50、5月も1.78の防御率だったが、6月以降は5.70に悪化。ファンからも「大丈夫かな」「故障が心配」の声も聞かれた。

 ラミレス監督も、シーズン当初より早めにマウンドから降ろすなど、球数とともにマネージメントをし始めた。これもシーズン通して、また来年以降も見据えた上で活躍を鑑みての起用法であろう。勝利と個人のコンディションのバランスを考えた采配で、エースとチームをより良い方向に導いてほしい。

 セ・リーグは首位をひた走るジャイアンツを除いて、特に2位から4位は日替わりで順位が変わる団子レースが続いている。ベイスターズには右のエースと言っても過言では無い活躍を見せている上茶谷大河もいるが、この先ルーキーがどこまで行けるかは不確定要素が多い。混戦を抜け出すためにも、チームの柱となる絶対エースは必要不可欠な存在。華麗に復活した今永昇太に、後半戦もチームを引っ張って行ってもらいたい。

写真・取材・文 / 萩原孝弘

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