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鹿児島の消防士が部下にライターで放火

 鹿児島県警霧島署は7月10日、部下の服に火を付けてやけどを負わせたとして、傷害容疑で、霧島市消防局の副士長・上薗彬史容疑者(29=霧島市隼人町見次)を逮捕した。

 逮捕容疑は、6月28日午後5時頃、眠っていた部下の消防士(24)のポロシャツにライターで火を付け、腹部と左太ももに1カ月のやけどを負わせた疑い。

 同署によると、事件当日、昼すぎから同僚13人が被害者宅に集まって訓練の慰労会を開き、飲酒をしていた。部下がリビングの椅子で眠ったため、上薗容疑者は起こそうとして、ポンプ式の手の消毒用アルコールジェルを3回分押して部下のポロシャツにかけ、ライターで着火。ポロシャツの腹部が激しく燃え上がった。部下は跳び起き、同僚らが消火に当たったが、なかなか消えなかったという。家財などには引火しなかった。

 同市によると、上薗容疑者は事件当日夜、電話で上司に「2人で飲んでいてやけどを負わせた」と虚偽の内容を伝えた。また、同消防局から7月1日夕方まで、前田終止(しゅうじ)市長に事件が報告されていなかった。部下は入院中で、3日に被害届を提出した。

 上薗容疑者は上司への報告書で、「面白いことをしようと思ってやった。すぐに消えると思い、その場を離れた」と説明。火を付けた理由については、「後輩が酔って眠りこけていたから、驚かせて起こそうと思った」としている。同消防局の調査では、いじめの報告はないという。市は6月29日付で上薗容疑者を自宅謹慎とした。

 10日に会見した前田市長は「市民の生命や安全を守る消防職員でありながら、ふざけて火を付けてやけどを負わせた行為は、軽率で弁解の余地はない。消防への信頼を大きく失墜させ、大変申し訳なく、市民の皆様に心からお詫び申し上げます」と謝罪。

 会見に同席した田中義春消防局長は、事件を把握してから市長に報告するまで3日かかったことに関し、「すぐに報告するような話ではないと思った。私の判断が甘かった。事件を隠そうという気持ちはなかった」と釈明。前田市長は「危機管理において話にならない。すぐに対処をすべきだった」と話した。
(蔵元英二)

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