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東西線神楽坂駅前の不思議な神社

 東西線神楽坂駅から飯田橋方面に向かって歩く途中、世にも不思議な神社がある。「赤城神社」という。なにが不思議かといえば神社仏閣の既成概念を打ち破っているから。和洋なんでもござれで受け入れて、それを見事に調和させている。
 まずは赤い鳥居をくぐると、灯篭の脇にカフェの案内版がある。実に堂々と「境内の奥にあります」と参拝客を誘っており、その名もずばり「Akagi Cafe」だ。
 記されているメニューはキーマカレー、ハッシュドビーフ、ポークジンジャープレート…などあえて洋風なものばかり。せめてポークジンジャープレートぐらいは「しょうが焼き定食」でもよさそうだが、それだけ店のイメージを大切にしているのだろう。あっぱれなのはそれを許容する神社側である。ちなみに日替わりケーキセットは700円からという。
 一方、本殿のそばには幼稚園がある。境内には幼稚園関係者向けの駐車場スペースも。23区内でこうした環境を持つ神社はそう見当たらない。どこか自由であり、そうした空気感が心地よいのか平日の日中にもかかわらず参拝客がひきも切らなかった。
 短い参道脇には「出世稲荷神社」があった。説明書きによると、福徳開運の威をそなえた衣食住の守護神らしい。出世欲の強いサラリーマンには頼りがいがありそうだが、待てども待てども参拝するのは中年女性ばかり。サラリーマンらしき中年男性は素通り。どうやら出世を願っているのは、サラリーマン本人ではなく世の奥様がたのようだ。

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