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コンビ結成19年、ナニワのラスボス“シャンプーハット”

 次長課長は、「おめぇに食わせるタンメンはねぇっ!」でイチ早くブレイクした。およそ8年前には、ブラックマヨネーズが漫才日本一決定戦『M-1グランプリ』で優勝した。翌年、チュートリアルもそれに続いた。そして、2年前。「一生一緒にいると思っていた」野性爆弾までが、東京に行った。

 シャンプーハット。デビューして、19年。同期たちは全員、東京で成功した。気づけば、自分たちだけが変わらぬ土地でとどまっている。芸人ウケは、いい。浪速の笑いを死守する、重要な一角でもある。しかし、勝機を完全に逃した。

 小出水とてつじ。そろってイケメンという、珍しいパターンの漫才師だ。端正というより濃厚な顔立ちは、高確率で東南アジア系の外国人に間違われる。その都度、“すべらない話”が生まれるのは、芸人冥利に尽きるだろう。

 趣味がつけ麺の食べ歩きだったてつじは、3年前につけ麺店・宮田麺児を大阪市内でオープン。仲間がこぞって宣伝したことから、またたくまに連日、長蛇の列ができた。米ロサンゼルスに出店するほどの人気店だ。

 いっぽうの小出水は、ハレンチながらも感嘆せずにはいられない絵画が趣味。腕前はプロ級で、個展を2度も開催している。そしてついに、その腕が笑いに結びつくときがやってきた。ダウンタウン・松本人志が大会チェアマンを務める『IPPONグランプリ』(フジテレビ系列)に出場できるチャンスを、みずからの手でゲットしたのだ。

 過去最多の1631名が参加して激戦を繰り広げたオーディションの『IPPONスカウト』。ここで頂点に輝き、23日にオンエアされる本戦に出陣する小出水。天井知らずの才能と圧巻のひとことに尽きる画風は、どんな笑いを生みだすか。関西人の期待を背負った笑いのフェスティバルは土曜の夜、開宴される。(伊藤由華)

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