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落合沈黙返上の裏情報

 開幕前日から突然、沈黙の人を返上して、周囲を驚かせている中日・落合博満監督。いったい、何が起こったのか。

 沖縄・北谷キャンプ初日に口を開いて以来、オープン戦でも無言を貫いてきた落合監督が、開幕前日になって2時間のワンマンショー。担当記者の度肝を抜いた。
 「どこか特定の球団(に勝つ)というのは考えたことがない。どこなら負けてもいい。そんなことをやっていたら、足をすくわれます。できれば、144試合全部勝ちたい」。昨年、直接対決で8勝16敗と惨敗、リーグ3連敗を許した巨人をあえて無視する発言で、原辰徳監督を挑発。
 そうかと思えば、かく乱戦術を得意とする先発投手起用でも落合節。「開幕投手? じゃんけんで決めさせようかな。(出場登録した投手)13人に権利はあるよな」。この落合煙幕発言に乗せられ、大本命の昨年のセ・リーグ最多勝の右腕エース・吉見を予想したのが、グループのスポーツ紙を含め4紙。が、「2年目の伊藤もあり得る」などと及び腰。散々、裏目をくっているだけに、空振りを恐れ、サプライズの可能性に言及したのだ。他に左腕エース・チェンが1紙。「2年目、19歳の伊藤が開幕投手」と大穴にかけた1紙もあった。
 結果は、当たり前の大本命の吉見で敗れたが、開幕3連戦をトータルすれば、2勝1敗で御の字。お得意の先発投手かく乱戦術の小手調べをやった落合監督は、宿命のライバル原巨人相手に牽制球を投げただけの成果があったと言える。

 そんな開幕前日の異例のロングラン・ワンマンショー以来、開幕後も口を開いている。広島との第3戦、ミスが多発した上での辛勝にも、「勝ちゃいいじゃん。勝ち負けを争っているんだから、勝てばいい。責めてもしようがない。これから出ないようにすればいい」と仰天コメントだ。昨年までなら、こんな勝ち方をすれば、怒って「しゃべることはない。見ての通りだ」くらいで終わっていたのに。
 突然変異の落合監督に対し、勘ぐった見方が出ている。「やっぱり2年連続、わずか1票足らずで野球殿堂入りに落選したのが応えているのではないか。記者投票で決まるが、肝心の地元の名古屋の票が入らないのが原因だからね」と。
 来年1月に発表される殿堂入り、3度目の正直で当選するための記者懐柔策ではないかというのだ。が、それならば、キャンプから始めた方が効果的にも思える。いや、それまで沈黙を貫き、開幕からの方が衝撃度は強く、効果が大きいと読んだのか。他に何か理由があるのか。真相は、落合監督の腹の中だが、その突然の変身ぶりは他球団の監督たちを疑心暗鬼にさせる効果があるのは確かだろう。実は、それが狙いだったりして。

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