第1打席でいきなり先頭打者ホームランを叩きこんだ平田は、そこから第2打席にツーベース(2点タイムリー)、第3打席にもツーベースを放ち早々と猛打賞を記録。さらに第4打席には、DeNA・ソトが打球をそらす間に三塁を陥れたことで、快挙達成にリーチをかけた。
そして迎えた7回の第5打席。球場中の期待を背負った平田は、相手投手・平田真吾が投じた3球目をレフト前へ。この瞬間、平田はプロ野球史上68人目のサイクルヒット達成者となる運びとなった。
今回見事に記録を達成した平田には、ネット上からも「平田サイクルヒットおめでとう!」、「5の5でサイクルはすごすぎる」、「今日は現地の人が羨ましい」といった称賛の声が数多く寄せられている。試合後のスポーツニュースをはしごした人も多いことだろう。
ところで、今シーズンは平田の他にも、柳田悠岐(ソフトバンク・4月21日)、山田哲人(ヤクルト・7月9日)、桑原将志(DeNA・7月20日)がサイクルヒットを放っている。前述の声の中にも「今年サイクル多くない?」といった旨のコメントが少なからず見受けられるのだが、実際のところはどうなのだろうか。
日本プロ野球機構(NPB)の公式サイトに掲載されているサイクルヒット達成者一覧によると、4人の達成者が出た今シーズンは1952年と並んで史上2番目に達成者の多い年であるとのこと。ちなみに、史上最多の年となっているのは2003年で、ホセ・オーティズ(当時オリックス・5月3日)、福留孝介(当時中日・6月8日)、稲葉篤紀(当時ヤクルト・7月1日)、村松有人(当時ダイエー・7月1日)、桧山進次郎(元阪神・7月2日)の5名が達成している。
歴史上でも屈指の“当たり年”となっている今シーズン。プロ野球ファンにとっては、非常に幸せなことであるのかもしれない。
文 / 柴田雅人