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上海風俗最新事情「穴場」編

 かつて歌謡曲に歌われた上海といえば、夜霧にむせぶエキゾチックな港町といったようなイメージがあった。もちろんそれは太平洋戦争以前のこと。いまや共同租界もなければ虹口(ホンキュー)の街もないのである。それよりも上海自体が共産中国のなかでも最大の経済都市として躍進する中国の要となっている。歌謡曲のなかのようなロマンチシズムは影も形もなくなってしまっているのが現実ではあるが、一方で、それだけ活発な街ともなれば当然アッチの方というかエッチの方がそれなりに存在することは間違いないだろう! 前回はニッポンからの旅行者でも無難に遊べるサウナ(ソープのこと)とKTV(カラオケクラブのこと)の2つを紹介したが、今回はもう少しディープな、上海の街の狭間でうごめくフーゾクをリポートしてみよう。

 夕暮れ時にフラリ上海の街に出て、ふと目に入ったのがクルクルとネジリン棒のようなものが看板として回っている床屋であった。形も色もどことなくわが国のそれと似ているような似ていないような微妙な看板だ。
 で、中に入ってみると店内の雰囲気もちょいと違っているかな。照明が気持ちばかり暗いのと、理髪師のはずのお姐さんたちがどことなくセクシーで、しかも人数が多いことである。
 それには構わず、すすめられる鏡の前の椅子に座って整髪してもらうことに。先ほどから妖しい目つきと危なっかしい手つきでチョッキンチョッキンしてくれていたお姐さんが、こちらの耳元に口を近づけたと思ったらなにやらムニャムニャとささやくではないか。
 その意味は全く分からない。でもなにやらイカガワシイことを伝えたいようなのは、その雰囲気で分かる!
 そこでウンウンと首を縦に振ると、こちらを椅子から立たせて店の奥へと誘うではないか。この間も彼女は一生懸命こちらに話しかけてくれるのだが、惜しむらくは何を言っているのか見当もつかない…ということにしておこう。
 そうしたら彼女、こちらの手を引いて奥の個室へと連れ込んだ。そこはマットレスが敷いてあるだけの照明もないような狭い部屋である。
 そこで彼女、さっさと服を脱いでしまうと、パンティーまで取り去って、ゴロリ。こちらを手で招きながら「ライ、ライ」である。これは分かった! 漢字で書けば「来来」なのだろう。
 そこで遠慮なく日中親善のための有意義な交渉をわずか20〜30分だったが熱烈に試みた。
 「ハオハオ(好々)」で一件落着。頭もスッキリして下半身もスッキリしての100元(1500円ほど)は、実にもうハオハオである。

 そしてまた過日のこと。観光見物の度が過ぎたのか肩に凝りを感じたので、再度夕闇の迫る上海の街へと出てみた。
 そこで今回見つけたのはマッサージ店というかマッサージパーラーであった。表から店内を覗くと、まだ時間が早いせいかカウンターに1人、女のコがいるだけ。外には誰もいないようだが、とりあえずどのようなものかと入店してみた。
 こちらと目が合ったカウンターのコは、ムニャムニャと語りかけてくるのだが、相変わらず意味が分からない。そこでジェスチャー。両手を目の前に伸ばして揉む真似をしたら、ウンウンとうなずいて奥の方の個室へと案内してくれた。
 ここで気がついたのだが、普通のマッサージ店の女のコはきちんと制服を着ている。ところが今回こちらが入った店のコは、これまたどことなく色っぽい肩とか足のあたりに露出の多い私服を着ているのだ。
 それでもって気がついたらマッサージ台の上に横になっていた。それも彼女がムニャムニャ話しかけてくるうちに、こちらも彼女もスッポンポンになってしまって、果たしてどうしたことか!?
 だがこちらマッサージ店でもしっかり親善交渉は行ってみた。これがなかなか心地よいお道具の持ち主であったという新発見もさせてくれて。
 すっかり紅潮して上気したような表情の女のコが、メモ帳にボールペンで書いてくれたのを見ると、300元とあった。おそらくこれがすべての料金なのだろうか。快く支払って肩の凝りも下半身の凝りも見事に解消してホテルへの帰路を急ぐ記者であった。
 注意すべきは床屋もマッサージ店も普通の店とフーゾクの両者がある点。その判断は店の外から眺めてみるとたいていは区別ができる。あとはそこへ踏み入る勇気とスケベ心があるかどうかである。

(写真(1)=上海にはいわゆる風俗街はない。街角に突如として店が出現する)
(写真(2)=床屋。日本の理髪店とは雰囲気が違うでしょ?)
(写真(3)=マッサージ店。普通の店なら入口に女のコは座ってませんよね(笑))
(写真(4)=完全日本人向けの総合娯楽ビル、通称“日本村”なんてものまであるのだ)

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