半年くらい前、朝のワイドショー番組「スッキリ!」にナマで歌を披露してくれたレディー・ガガ。司会の加藤さんやテリーさんという、ヘンテコな日本人男性にもやさしく接し、通訳の関根麻里とも和気あいあい。見た目は派手だけど、知的で上品なガガは、とても感じのいい外人さんだ。でもこれ、20年前なら絶対にありえない光景。昔、バブルの頃はお高くとまってこそ「外タレ」だった。歌番組でもない、それも朝っぱら早くの番組にアメリカのスターが出演するなんて、当時は絶対に考えられなかった。記者の知る限り、マドンナはデビュー当時一回だけ「夜のヒットスタジオ」に出演したが、その後人気絶頂時はコンサートで来日中も絶対に日本のテレビ番組で歌う事は無かった。それを何年か前、スマスマで歌うマドンナを見た時は驚いた。時代は変ったもんだ。
かなりお嬢様な家庭で育ったレディー・ガガは、音楽や美的センスにたけた天才肌。彼女に足りないものは、マドンナが体験したような苦節時代である。であるからしてわざわざストリッパーをやってみたり、服装や言動を不思議ちゃんにして、ビッチっぽい雰囲気を出している。でも、どんなに過激を演じても「マジメな地」が出てしまうガガ。創造的でエッチなPVやパフォーマンスも、一生懸命卒業制作に励む芸術学生を見ているよう。いい人で“スターの気まぐれ”に欠けるガガは、近年大スターがいないから目立つだけで、実は小粒なスターなのかもしれない。
わずかな金ほしさに渋谷で「神」を探す日本の少女たち。わが身の安全を省みない彼女たちの方がよほどレディー・ガガよりも過激で危険。彼女たちがナマの自分をひな壇にさらしている事に対し、レディー・ガガは、「ガラスケースに入ったリカちゃん人形」そんな立ち位置だ。(コアラみどり)