大瀬良は5回を投げ、被安打7、自責点2(失点5)。勝敗こそ付かなかったが、試合後、広島関係者もビミョ〜な表情を浮かべていた。
「セ・リーグも予告先発制だから、先発投手の日程を予想する必要はなくなりました。でもね、(ローテーション入りする)6人の先発投手がどういう順番で出てくるかを把握しておかないと、対応が遅れるので」(ライバル球団関係者)
公式デビューは4月2日の東京ヤクルト戦(マツダスタジアム)となった。
「1回や2回、大量失点を食らっても大瀬良の評価は変わりません。ストレートの伸びは間違いなく一級品です。失点は変化球をテストしたからでしょう」(前出・同)
ヤクルト、巨人、阪神は大瀬良対策を今後も進めていく。関係者によれば、大瀬良が痛打された変化球は、全てカットボールだったという。大瀬良と広島首脳陣は、当面、勝負どころでの「カットボール」を封印するだろう。また、キャンプ中から“精度アップ”を目指していたカーブ、チェンジアップだが、「一軍バッターも苦戦させられるだろうね…」と、どの球団も苦笑いを浮かべていた。
大瀬良がデビューマウンドを勝利した場合、「広島が勢いづく」と序盤戦の“波乱”を予想するプロ野球解説者もいた。
「今の大瀬良は70パーセントくらいの仕上がり。広島首脳陣はベストピッチングに近い快投を期待していたようです」(関係者)
広島首脳陣の要求は高いが、セ5球団は大瀬良への警戒を強めている。
同日、こんなハプニングも起きていた。「中日対阪神戦(二軍)で先発した岩田稔(30)が釣瓶打ちにされました。予定していた5回まで持たず、10失点で降板です。阪神は繰り返すまでもなく、先発投手の人材難に苦しんでいます。一軍ローテーションの一角を託された岩田がこの時期に『結果』を出せなかったのは、痛い…」(プロ野球解説者)
広島と阪神は、最終調整となる二軍戦で明暗を分けたようだ。