「斎藤(佑樹=25)はチェックしておかないと…。もともとコントロールも良いし、習得中のシュートが実戦で使えるのなら、厄介な存在になる。それに、新しい外国人投手がどこまでやれるのか?」(ライバル球団スコアラー)
2人の新しい外国人投手−−。注目度は高くないが、ルイス・メンドーサ(30=前ロイヤルズ)は第3回WBC・メキシコ代表右腕だ。栗山英樹監督(52)の構想に入っている先発候補ではある。まず、この投手の印象を伝えると、腕の力だけで投げているような感じだ。コントロールが良い。だが、この投手に対する評価は二分している。
「チェンジアップだと思うが、沈むボールも投げていた。ストレートとその緩い変化球のコンビネーションでゴロアウトを稼ぐタイプかと思われるが、直球、変化球で腕の振りの速度が変わるので、緩いボールでタイミングを外すという技術はない」
厳しい見方をするプロ野球解説者もいれば、「厄介な投手をまた見つけてきた」(前出・スコアラー)との声も聞かれた。
「また、見つけてきた」とは−−。
「ストレートがホームベース上で揺れるというか、クセのあるボールを投げていた。こういう投手は失点もあるが、先発投手の責任イニング(6回)をしっかり投げきってくれると思う。去年まで在籍していたウルフ(現・ソフトバンク)もそうだった…」
もう1人のマイケル・クロッタ(29)は「200センチ、100?」の巨漢で、ブルペンで見ていても、威圧感があった。ストレートは速くないが、ボールに体重が乗っており、力勝負のできる投手だと思った。栗山構想では中継ぎを予定しているそうだが、「巨漢のわりには(守備面での)体の動きが早い。練習態度もマジメだし、日本に馴染もうとしている。こういう姿勢の外国人は出世すると思う」(同)と、評価が高かった。
稲葉、三塁からコンバートの小谷野とともに一塁の守備練習に入ったのが、ホアン・ミランダ(30=前Dバッグス)だ。キューバから亡命し、昨秋の入団テストで合格を勝ち取ったという。フリー打撃で時折、フルスイングしたバットがそのまま背中に当たるような大きな振りも見せていた。かといって、やみくもに振っているのではなく、コンパクトのスイングの速さでボールを運ぶような器用さも見せていた。このミランダが打撃好調のままオープン戦を終えた場合、稲葉、小谷野はスタメンから消える可能性もある。DHには31本塁打のアブレイユがいる。中田の三塁再コンバートされたことによって、正一塁手争いが激化されたのだ。近年、レギュラー陣の入れ換えがさほどなかっただけに、良い刺激になったようである。
ドラフト1位の渡辺、3位の内野手・岡大海(22=明大)が二軍キャンプで奮闘しているとの情報も届いている。岡は登録こそ内野手だが、身体能力も高く、外野手として1年目から使う方向だとも聞いている。現時点では『投手・大谷』に期待しなければならないように、先発スタッフにやや不安があるが、2位指名の浦野博司(24=セガサミー)、4位・高梨裕稔(22=山梨学院大)、5位・金平将至(22=東海理化)、白村明弘(22=慶大)は即戦力として指名したはず。この4投手のうち、誰か1人でも序盤戦に一軍昇格してくれれば、Aクラス入りも確実なのだが…。