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2014年プロ野球キャンプ情報 ニューフェイスは戦力になるか?(オリックス編)

 『打線強化』がオリックスの課題だったはず。だが、どうしても、12球団トップとも言っていい投手陣に目が行ってしまう…。
 社会人ナンバー1投手、吉田一将(24=JR東日本)が開幕ローテーション入りすれば、リーグトップの防御率を誇る投手陣はさらにパワーアップする。キャンプ中盤を見る限りでは、スロー調整といった感じだった。191センチの長身から繰り出すホールの角度、そして、全身を躍動させてのピッチングフォームは見る者を惹き付ける。キャンプ前半で肩の張りを訴えていたせいもあるが、スロー調整の印象を受けた。ブルペンでは、高めに抜けるボールもまだ多く、首脳陣は「開幕までにトップレベルに持っていけばいい」といった感じで、セーブさせているようだった。

 このドライチ投手の武器は“ピッチング”だろう。時折、ブレーキの利いた、大きなカーブを投げてくる。吉田という投手はスピード勝負できるほど速くないが、140キロ台はコンスタントに出してくる。長身から投げ下ろすその直球には『上からの角度』があるから打ちにくい。そこに、ブレーキの利いた大きなカーブで『緩急』を付ける。低めに変化球を集める能力もある。吉田は「勝てる投手」だと思った。

 2位の東明大貴(24=富士重工)も開幕一軍枠に入ってくるだろう。紅白戦では失点する場面も見られたが、速球派の佐藤達也(27=昨季67試合登板)にも引けは取らない。スリークオーターで、投げ終わると『背番号26』を捕手に見せるように、一塁側に体を向ける。「自分の間を持っている投手」でもある。ブルペンでは先輩投手に挟まれ、その先輩たちが10球投げたとしても、東明は3、4球しか投げない。ノーワインドアップでグラブを胸の前で止め、ブルペン捕手の構えたミットを見て、1つ呼吸してから投げる。大抵の新人は緊張して、こんな堂々とした投球練習はできないのだが、良い意味で太々しいと思った。カーブ系、スライダー、シュート…。1つ1つの変化球の精度も非常に高いと思った。社会人時代は中継ぎ、抑えも経験したという。首脳陣は先発枠を争わせるとしていたが、エース・金子、西、ディクソン、先発転向の岸田がいる。ここに吉田が加わり、2年目の左腕・松葉もいる。仮に先発枠争いから漏れたとしても、森脇浩司監督(53)は、球種も多く、力強い直球を持つこの東明を「使いたい」と思うはずだ。
 また、山崎勝己(31=前ソフトバンク)の加入によって、正捕手争いも激化している。この山崎のリードについて「慎重な攻め方をする」と評する解説者もいた。昨季、137試合に出場した伊藤光(24)は投手の長所を引き出そうとするタイプ。試合状況に応じて、捕手を代えられるのは、戦力面で大きなプラスとなる。投・内連携プレーは、例年以上に声が出ていた。山崎、伊藤の正捕手争いがチームを活気づけたのだろう。

 打線のカギ、いや、Aクラス浮上のキーマンになるのが、ソフトバンクから移籍のウィリー・モー・ペーニャ(32)だろう。李大浩、バルディリスの4、5番が抜け、リーグ5位の打率だった打線は計182打点を喪失。この4番候補のペーニャには30本塁打を打ってもらいたいところだ。
 「ペーニャは好不調の波があるからね。去年は外角の変化球に苦しんだみたいだけど、それを克服したかどうかはオープン戦で判断したい」(ライバル球団スコアラー) 

 1番候補のエステバン・ヘルマン(36=前西武)は、昨季、リーグトップの出塁率をマークした。俊足だが、足ではなく、「バット」で出塁するタイプである。フリー打撃ではライナー性の鋭い打球を飛ばしており、今季もやってくれそうだ。しかし、あくまでもキャンプ後半までを見た印象だが、楽天からトレード移籍してきた鉄平(31)が目立っていなかったのは残念であり、ベテランのスロー調整で二軍スタートとなった前巨人・谷佳知(41)に関する情報も聞こえて来なかった。

 来日が遅れたコニエスキー・ペタンコート(31)は、日本の野球スタイルに適応できるか否か未知数だ。昨季の森脇監督は選手を信頼し、自由に打たせる場面も多かったが、基本的には機動力を駆使した攻撃を好む。クリーンアップを予定している外国人選手の状況次第では、ヘルマン、平野、安達、駿太、テスト入団の丸毛謙一(25=前巨人)など走れる選手でコツコツと1点を積み上げていくスタイルになるかもしれない。本社創立50周年の今季、投手力のオリックスはロースコアで逃げ切る野球になるのではないだろうか。

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