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2014年プロ野球キャンプ情報 ニューフェイスは戦力になるか?(広島東洋編)

 今年の広島東洋カープのキャンプは明るい。マスコミの数も多い。新人王レースの最有力候補・大瀬良大地(22=九州共立大)の加入によるものである。先発ローテーションの一角だった大竹寛がFA退団しても活気に溢れているのもそのせいだが、本当のキーマンはドラフト2位指名の投手・九里亜蓮(22=亜細亜大)ではないだろうか。

 昨秋の侍ジャパンにも招集された大瀬良の実力は説明するでもないが、187センチの逞しい体を躍動させての投球フォームには『エースの風格』も漂っている。キャンプ前半の調整段階で比較するのもおかしいが、前田健太よりも速いボールを投げる日もあった。大竹が昨季稼いだ10勝分を埋めるだけではなく、さらなる上積みも期待できる。だが、冷静に考え直してみると、広島先発陣は不安要素を抱えていた。前田、バリントン、野村、大瀬良。先発の4番手までは計算が立つが、5番手以降が見つからないのだ。
 大竹のFA退団にともなう人的補填で獲得した一岡竜司(23=前巨人)は、前田、大瀬良にも引けを取らないスピードボールを投げていた。だが、持ち球が少なく、野村謙二郎監督も「リリーフを予定している」と話していた。リリーフ候補では支配下登録を勝ち取った池ノ内亮介(25=右投右打)がダークホースだ。制球にバラつきがあるものの、スライダー系の変化球の曲がりが大きい。救援陣には厚みが出てきただけに、せめてもう1人、計算の立つ先発投手が欲しい。

 先発5番手の候補と言えるのが、新外国人左腕のザック・フィリップス(27=左投左打)だ。先発、リリーフの両方ができるという。オーバーハンドで投げ終わると、三塁方向に体が流れるものの、外国人特有の『力ずくで投げている』というフォームではない。150キロ強を投げるとも一部で報じられていたが、真っ直ぐはそこまで速くない。セットポジションに厳しい日本野球にまだ馴染んでいないのか、紅白戦ではボークを取られるシーンもあったが、おそらく、縦のカーブだろう。変化球のコントロールが良かった。
 とはいえ、今年の広島には6人の外国人選手がいる。先発の一角・バリントンとストッパーのミコライオ、一発のあるキラ、エルドレッドも必要な戦力だ。このフィリップスの使い方は難しくなる。
 東都リーグ5連覇の原動力ともなった2位の九里も、先発ローテーションの候補だ。肘を伸ばして、大きく振りかぶり、往年の野茂英雄氏のトルネード投法のように対戦打者に背中を向けてから投げ下ろしてくる。投げ終わった後、肩をブランとさせる。全身を使って投げているので、これだけの剛球を投げ続けても肩への負担はないだろう。この重いストレートは大瀬良にも引けを取らない。

 野村構想ではこの九里も開幕一軍メンバーに入っていると思われるが、某在阪球団のスカウトはこう評していた。
「近年、即戦力と評された東都リーグ出身投手は、1年目は『プロの壁』にぶつかっている。ソフトバンクの東浜がそうで、巨人の澤村も勝ち星に恵まれなかった。せっかくの逸材なんだから、過度な期待はかけず、慎重に育ててもらいたい」

 4位の西原圭大(25=ニチダイ)はサイドハンドの変則。ボールが重そうな印象も受けたが、中継ぎ向きというのが解説者たちの評価だ。
 5番手以降の先発投手がカギになる。バリントンが先発登板した翌日、その登録を抹消し、フィリップスを使い、バリントンの再登録を待つ戦略もある。その場合、ルール上、再登録までに10日間が必要だから、バリントンの先発ローテーションを1回飛ばすことになる。外国人投手の一軍登録は最大3人。リリーバーのミコライオはベンチに置いておきたいので、バリントンとフィリップスの両方を使う場合、エルドレッドとキラのどちらかを外さなければならない。この場合、得点能力のダウンは必至。外国人選手の使い方で、野村監督は頭を痛めることになりそうだ。
 やはり、九里が先発枠を勝ち取り、ライバル球団のスカウトたちの下馬評を覆す活躍を見せてくれれば、打倒巨人も射程圏内なのだが…。

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