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2014年プロ野球キャンプ情報 ニューフェイスは戦力になるか?(千葉ロッテ編)

 涌井秀章(27=前西武)の加入はやはり大きかった。伊東勤監督(51)は涌井を得た投手陣を見て、“手応え”を感じたのではないだろうか。昨季、3年ぶりのAクラス入りの原動力となったのは“0勝の投手たち”である。新人、外国人を除き、前年未勝利の投手が挙げた勝ち星は、計24勝。Vチーム・楽天は『1勝』だから、伊東監督の選手起用がいかに優れていたかが再認識できる。だが、チーム最多は、唐川、西野、古谷の9勝。0勝から飛躍した経験薄な投手スタッフで足りないのは、実績のある実力派だ。涌井が2ケタ勝利を挙げることができれば、『優勝』の二文字も見えてくるのだが…。

 その涌井がシート打撃に登板したのは2月17日だった。打者6人に対し、被安打1。去年の今ごろと比べると、「やや遅め」で調整しているようである。そのシート打撃登板後、涌井は囲み会見でこう答えている。
 「(力の入れ加減は)6、7割。今日は細かいことは気にせず、しっかり腕を振ることだけを考えて…」

 近年、涌井が不本意ながら救援にまわったのは『ストレートのキレ』にも原因があった。統一球に馴染めず、本来のキレとスピードを失い、渡辺久信監督(当時)は短いイニングで強く腕を振ることで蘇生させようとした。完全復活とはいかないまでも、先発投手としてのこだわり、プライドがFA宣言へと繋がった。同日の投球を見る限り、「他投手よりも遅れている」と思ったが、それは本人の口からも聞かれた。しかし、それは開幕日を逆算しての自己調整とも言える。涌井クラスになれば、オープン戦で好投しなければ一軍に残れないということはない。伊東監督はチーム勝ち頭・西野のリリーフ転向も示唆しており、貴重な先発の1人を外すということは、涌井が復活への階段を着実に上っていると判断しているのだろう。

 巨人との競合に末に獲得したドライチルーキーの石川歩(25=東京ガス)だが、13日の紅白戦で147キロを計測したそうだ。石川は「速いボールが投げられれば…」(同日囲み会見で)と語っており、おそらく、ストレートを投球の生命線としているのだろう。素人判断だが、スライダーに見入ってしまった。ストレートと同じ軌道で来て、右打者の内角から外角までを“切っていく”。ボール1個分の落差もあり、ウイニングショットになると思った。また、シンカー系の変化球も2、3種類あった。勝てる投手、パ・リーグ新人王の有力候補だろう。

 「速い!」と思ったのが、ドラフト4位の吉原正平(24=日本生命)だ。失礼な言い方かもしれないが、吉原の身長は取材陣と同じくらい(174センチ)。どこからこんな速いボールが繰り出せるのかと思うほど、体も細い。しかし、そのスピードボールの質は間違いなく一級品だ。ホームベース手前からグッと浮き上がってくる。ボールの回転数も多いのだろう。ブルペン捕手のミットから聞こえる捕球音には重圧感もあった。伊東構想ではセットアッパーだが、クローザーの益田に連投が続いた場合、この吉原に代役を託せるとも思った。

 右の大砲・井上晴哉(24=日本生命)の飛距離は既報通り。その井上とはタイプが異なるが、ドラフト2位の吉田裕太(22=立正大)も「強い打球を打つな…」と思った。ブルペンで伊東監督がミットの動かし方等を自ら指導する場面もあり、里崎の後継者候補と目されている。「強肩捕手」の触れ込みだったが、打撃力も高い。ルイス・クルーズ(30=前ヤンキース)、三木亮(22=上武大/ドラフト3位)は守備で魅せてくれた。この2人の守備は堅実で、三塁・今江、遊撃・鈴木、二塁・井口のレギュラー陣も「隙を見せたらヤバイ」と感じていたのではないだろうか。一塁の守備に入っていたのは、先の井上と福浦、ブラゼル。3人ともDHにまわる可能性もあるが、クルーズの状況次第では井口もそこに加わってくる。「里崎がDH、捕手・吉田」の選択肢もある。千葉ロッテはレギュラー陣を安心させない、良い補強をしたようだ。

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