原さんの死去については、国内のみならず、海外のメディアも反応。英紙ガーディアン(電子版)は現地時間の25日、小津安二郎監督の作品における原さんの役割の重要性を強調する映画評論家ロナルド・バーガン氏による追悼記事を掲載。記事は「小津安二郎の映画に親しむ者は誰もが原節子に魅了されるだろう」と書き出し、小津作品の豊富なユーモアや感情、心理的・社会的洞察などについて、原さんの「誤解されかねないほど似通った役柄の中で表現される」と指摘したという。
女優を引退後は映画界やマスコミとの交流を一切断ち、神奈川県鎌倉市内の自宅で甥一家と同居。本人の意向で葬儀は親族のみの密葬で、亡くなった事実は公表していなかったというのだが…。
「10月に発売された一部女性誌が、『原さん死去』の情報をつかんで自宅にいる甥を直撃した。ところが、その甥は直撃に対して、原さんが都内の施設に入院していると説明。結局、死亡した事実を明かさなかった。今回も甥を直撃したメディアがあり、隠し通すことに疲れ果ててしまったのか、ついに死去の事実を認め報じられることになってしまったようだ」(ワイドショー関係者)
山田洋次監督は「原節子さんは美しいままに永遠に生きている人です。半分は神様と思って手を合わせます」とコメントを発表。
日本映画界にとって多大なる功績を残してきた原さん。ついに帰らぬ人となってしまっただけに、今年から来年にかけて行われる数々の映画祭では、原さんに対してその功績をたたえる賞が贈られることになりそうだ。