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大型契約の裏事情 田中将大の獲得でトバッチリを食う人…

 田中将大投手(25)がニューヨークヤンキースと契約した。『7年1億5500万ドル』(約163億円)の大型契約は、単年年俸、総額ともに歴代日本人メジャーリーガーのなかでも最高となる。
 「田中に強い関心を示していたドジャースがクレイトン・カーショー投手と『7年2億1500万ドル』で契約延長した時点で、米国内ではヤンキースに決まるとの見方が支配的でした」(現地特派員の1人)

 ヤンキースとの契約について、こんな声も聞かれた。「やっぱり」−−。田中の代理人であるケーシー・クロース氏はヤンキースとの関係が深い。中核選手のデレク・データー内野手の代理人も務めており、古巣・楽天もジョーンズ、マギー、ユーキリスといった“前ヤンキース選手”を獲得してきた。こうした経緯からも、
 「ヤンキースとすでに話がまとまっているのではないか?」
 と、勘繰られていたのだ。

 しかし、ヤンキースにとって、田中獲得は今オフの補強の終焉ではないようだ。
 「一般的に見て、1月半ばからキャンプインまでの間、控え選手やオフの補強によってポジションが重複したベテランが動きます。見方を変えれば、この約2週間は、補強に成功したチームが余剰人員を放出する時期でもあるんです」(現地特派員の1人)

 その余剰人員の放出リストに、イチロー外野手(40)も加わっているという。
 イチローは12年オフ、ヤンキースと年俸650万ドルで2年契約を交わしている。だが、ヤンキースは主砲のA・ロッドが禁止薬物使用の裁判中で、「本人は無実を訴えているが、今季も出場停止は免れない」との見方か支配的だ。そのため、今オフのヤンキースはエルズベリー、ベルトランといった長打力のある外野手を獲得。故障に泣かされた俊足外野手のガードナーも帰ってくる。グランダーソンはメッツに移籍したが、DHも務まる好打のベテラン、ソリアーノも健在だ。
 左翼・ガードナー、中堅・エルズベリー、右翼・ベルトラン、DH・ソリアーノ。これは、米メディアが予想する今季のヤンキース外野布陣だ。

 「イチローは13年シーズン後半のように、試合途中から出る守備固めで使われるのではないか」(前出・特派員)
 東部地区のチームに詳しい米国人ライターがこう続ける。
 「13年の11月下旬から12月に掛け、複数の球団が『ガードナーが欲しい』とヤンキースにトレードを申し込みましたが、成立しませんでした。というより、ヤンキースが『ガードナーは出せない』と断ったんです。ただ、広域球場を本拠地とするジャイアンツ、外野手が頼りないレッズはイチローの動向を注視しています。とくにレッズはガードナーのトレードを断られた後、イチローに切り換えたとも伝えられています」

 メジャーリーグ各球団は「外野手5人」をベンチ登録する。現時点でイチローは「5番目の外野手扱い」であり、いっそ他球団に移籍した方が出場機会も増えるのではないだろうか。
 「チーム総年俸が一定以上を超えた場合、メジャーリーグでは贅沢税を払わなければなりませんが、ヤンキースはその贅沢税を払ってでも、ワールドシリーズ覇者になれるチームを作ろうとしています。それと同時に、支払う贅沢税の額を抑えたいとも考えていますから、650万ドルの控え外野手となったイチローを手放し、チーム総年俸を少しでも安くしたい、と」(前出・米国人ライター)
 デキレース説はともかく、田中を獲得したヤンキースは、高額年俸のベテランの整理に動き出すようだ。

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