日本一の指揮官はぶ然とした表情だった。
2回裏、SKの4番・朴裁弘の打球はレフトポール際に飛んだ。三塁塁審・李維庚(中国)がファールの判定をしたにもかかわらず、朴がベースを一周し、SK側が本塁打を主張。すると紀華文(台湾)主審は本塁打の判定を下した。西武側は抗議したが、判定が覆ることはなかった。試合も“疑惑の1点”が響き、3-4で初戦を落とした。
試合後、渡辺監督は「あの1点は大きかった。一度信念を持ってジャッジしたアンパイアが判定を覆してはいけない」と怒りを露わに指摘した。西武は日本シリーズ第3戦でも2度にわたる“誤審”の被害に遭っている。「野球のレベルは上がったけど、審判のレベルが低いと感じた」と斬り捨てた。
残り2戦は台湾と中国。渡辺発言が2か国の選手に飛び火し、新たな因縁が生まれかねない状況となった。日本勢の4連覇に向けもう1敗もできない西武。早くも正念場を迎えた。