4月16日のドラゴンズ戦から始まった敗戦は29日のジャイアンツ戦まで続き、泥沼の10連敗を喫し、更にゴールデンウィークの5月3日から8日まで5連敗を記録。最大11の借金生活でもちろん最下位の成績に甘んじながらも、毎年苦汁を飲まされている魔の交流戦を4位で戦い抜き、貯金も3を稼いだことで状況は好転したと言えるだろう。
リーグ戦再開後の9連戦を4勝5敗とひとつの負け越しで終え、結果的に勝率5割に届かなかったが、負け方も「惜しい」ゲームが続き、力負けの印象は無い。
好転の原因は、シーズン序盤に崩れていた中継ぎ陣の復調が大きい。特に交流戦では、パワーレフティのエドウィン・エスコバーが絶好調で、昨年中継ぎで輝きを取り戻した三嶋一輝、161キロ右腕の国吉佑樹も勝ち試合で安定した投球を披露。さらに、左腕の石田健大も献身的なピッチングでチームを救い、先発が早い回で崩れても試合を立て直す要因となった。
課題の打撃陣は、トップバッターの神里和毅の活躍も大きいが、昨年からベイスターズにやってきた伊藤光と大和がキラリと光る活躍を見せ、下位打線で打点を稼ぐことができ、攻守ともにいぶし銀の働きを魅せる彼らの力で、確実にチームを上昇気流に乗せた。
後半戦は、筒香嘉智、ホセ・ロペス、ネフタリ・ソト、宮崎敏郎の”BIG4”の爆発に期待したい。特に今季出塁率はいいものの、期待されているホームランや打点が伸びない筒香が、本来の調子を取り戻した時、70周年のメモリアルイヤーに”何か”が起こるような予感がする。誤算が多いにも関わらず前半戦2位ターンを決めたベイスターズ。オールスター明けの期待は増すばかりだ。
写真・取材・文 / 萩原孝弘