「中田は、あの独裁者アドルフ・ヒトラーの話を持ち出しながら、安倍晋三首相が旗振り役となって進める緊急事態条項の危うさを説明していました。この条項は、戦争やテロなどの非常事態に際し、憲法秩序を一時停止し、政府が非常措置を発令できるものですが、芸人ならではの話術を存分に生かしながら、丁寧にかみ砕いてくれています」(芸能ライター)
SNS上では「めちゃくちゃ分かりやすい」「面白い」といった声が寄せられ、中田を敬遠していた人も「好きになった」と好感を寄せるなど、評価が上がっている。
「中田のこの動画は、彼が今年4月から立ち上げたチャンネル『中田敦彦のYouTube大学』のひとコマです。その他にも、中田は消費税増税や原発問題に斬り込んだかと思えば、都道府県の位置の覚え方を伝授したり、『ジョジョの奇妙な冒険』や夏目漱石の『こころ』を独自解説するなど、その知識と教養をフルに発揮。登録者数も60万人を突破しました」(同)
思えば中田は、ダウンタウン松本人志を「大御所」と暗に揶揄しながら噛みついたことで、吉本から「謝れ」と言われたものの断固拒否。その影響で多くのレギュラー番組を降ろされ、「干された」という報道もされたことがあった。唯一のキー局レギュラーは相方・藤森慎吾と出ている『火曜サプライズ』(日本テレビ系)だが……
「この番組は、周知の通りロケが大半を占めます。そこでレギュラー陣は、ヒロミやDAIGO、石塚英彦、そして藤森など、毎週誰かしらロケに稼働しています。ところが、中田のロケ稼働率は圧倒的に少ない。本人の希望なのか、番組側が意図しているものなのか分かりませんが……。ただ、やはり自分の立ち上げたブランドは売りたいのか、『幸福洗脳』Tシャツを着てロケに出ていたこともありました」(同)
テレビから完全にネットの世界に移行している彼のポジションは今や、テレビを観ない若者から多くの支持を集めている。弁舌のうまさから政治家になってほしいという声もあるが、世の中を変える中心になりたいというより、外野でモノを言うほうが似合っているだろう。忖度と圧力だらけのテレビから離れ、生き生きとしている彼の今後が楽しみになってきた。